第971話

piece937〜俺だけの秘密
2,349
2020/08/16 12:29



それからも

廉は何度も

心の中で呟く、、、





《ごめんな》





何度も何度も、、、。








ーーーーー今から5分程前、、、






それは紫耀からあなたのスマホに

電話がくる前の事。





廉は心の中で思っていた。





自分最低なやつやん、、、と。





わかってはいる。

あなたはメンバーの彼女。

もちろん好きでいても

無駄な事もわかっている。





ダメと頭ではわかっていても、

もう止められなかった。




永瀬廉
永瀬廉
好きなやつに、、目の前で泣きつかれてみぃよ、、、俺んとこに来いってなるやん、、。



あなたの手を取り

そして握りしめる。




永瀬廉
永瀬廉
これから先も、、ずっとこうやってあなたの事、、思ってまうんやろうな。




あなたを見つめる廉の目は

あなたしか見えていなかった。





廉はあなたの頬に触れ、

それから顎に手をかける。




そして親指でそっと

あなたの唇を

左から右へ、、、

右から左へと

なぞっていった。



永瀬廉
永瀬廉
どんなに想っても報われんのかな、、?



でもここまで弱っているなら、、、




今なら振り向いてもらえるかもしれない、、、




なんて卑怯な事を

思ってしまったりもした。



永瀬廉
永瀬廉
なんてな。俺紫耀の事も大事やし、、でも、、




《こんなにボロボロになって、

それを俺に打ち明けてくれるんは

チャンスや思ってもいんかな?》




そう思いながら、

あなたの事を見つめる。





永瀬廉
永瀬廉
最初で最後、、、




自分だけの秘密にしておけばいい、、、






そしてゆっくり顎を持ち上げ、

そっと顔を近づけた、、、









目を閉じて

ゆっくりと顔を近づける。










すぐそこまで

あなたの体温を感じていた。










プリ小説オーディオドラマ