それからも
廉は何度も
心の中で呟く、、、
《ごめんな》
何度も何度も、、、。
ーーーーー今から5分程前、、、
それは紫耀からあなたのスマホに
電話がくる前の事。
廉は心の中で思っていた。
自分最低なやつやん、、、と。
わかってはいる。
あなたはメンバーの彼女。
もちろん好きでいても
無駄な事もわかっている。
ダメと頭ではわかっていても、
もう止められなかった。
あなたの手を取り
そして握りしめる。
あなたを見つめる廉の目は
あなたしか見えていなかった。
廉はあなたの頬に触れ、
それから顎に手をかける。
そして親指でそっと
あなたの唇を
左から右へ、、、
右から左へと
なぞっていった。
でもここまで弱っているなら、、、
今なら振り向いてもらえるかもしれない、、、
なんて卑怯な事を
思ってしまったりもした。
《こんなにボロボロになって、
それを俺に打ち明けてくれるんは
チャンスや思ってもいんかな?》
そう思いながら、
あなたの事を見つめる。
自分だけの秘密にしておけばいい、、、
そしてゆっくり顎を持ち上げ、
そっと顔を近づけた、、、
目を閉じて
ゆっくりと顔を近づける。
すぐそこまで
あなたの体温を感じていた。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。