紫耀が静かに部屋のドアを開けると
そこにはベッドに横になる
あなたの背中が見えた。
そーっと近寄り、
顔を覗き込んだ。
静かに寝息を立てながら
眠るあなた。
紫耀も寝ようと
スタンドライトを消そうとした
その時、、、
またディスプレイが光った。
紫耀はテーブルの上にある
携帯を手に取ると
画面を確認した。
そこには
キス、共演以来だね(笑)
おやすみ
と、メッセージがきていた。
そしてその前にきていた
《明日も行くね》
このメッセージも目に入る。
ため息をつきながら
振り返ると、
そこには愛おしい人の姿が。
紫耀はあなたの隣に
寝っ転がる。
寝顔を見ながら
そんな事を呟いてみた。
愛おしくて、、、
愛おしくて愛おしい。
1分1秒でも長くいたくて、
1分1秒でも触れていたい。
そんな事を思いながら
あなたの頬に触れた紫耀の手に、
雫がついた。
もう一度確かめるように触れると
一粒、、、また一粒、、、
確かに紫耀の手に
流れ落ちてきた。
その問いかけに
あなたはもちろん
答えない。
だけど、感情は正直で、、、
止めようとすればするほど
涙があふれてきた。
紫耀にそう言われ
鼻をすすりながら
紫耀の胸に顔を埋めた。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!