ーーーーーあなたside
紫耀の呼吸が聞こえる。
紫耀のドキドキを感じる。
紫耀の体温に触れてる。
紫耀の事を
こんなに近くに感じる事が
今までなかったから、
妙に緊張してしまう。
でもそれと同時に
自分が不安な時に
人のぬくもりを感じれると
すっごく安心出来るんだと思った。
紫耀だから
こんなに安心出来るのかな?
それはよくわからないけど、
紫耀がいてくれて
ホントに良かった。
こんなちっぽけな事でも
幸せだなって感じれる。
紫耀の胸に顔をうずめていたあなたが
紫耀の顔を見上げた。
頬をぷくっと膨らませて
紫耀を見つめた。
そんなあなたを見て
腕枕をしていない方の右手で
あなたの左頬に触れる。
優しく微笑みながら
あなたを見つめる紫耀。
そして紫耀の顔が
どんどんあなたに近づいてくる。
あなたは反射的に
ギューっと目を閉じた。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!