響があなたに質問するが
ボーっとしていて
聞こえていなかった。
猛にポンポンと肩を叩かれ
ハッと我にかえるあなた。
あなたは
最後に恭ちゃんが言った言葉を
思い出していた。
そんな2人の会話を聞きながら
猛は気づいていた。
恭平があなたの背中を
押しているということを。
自分は側にいてやれないから、
守ってやる事が出来ないから、
だったら側で守ってくれるやつに
あなたをたくそうとしたのだろう。
きっともっと
側に居たいはず。
きっともっと
好きでいたいはず。
でもそしたら
あなたを苦しめる事になる。
悩んで悩んで
出した答えなんだろうと思った。
《さよなら》
その一言に込められた
恭平の想い。
《別れ》ではあるが
それと同時に
《エール》でもあった。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。