ーーーーー紫耀side
紫耀はあなたと目が合った時に
目をそらしてしまった事と、
自らリビングを出て行ってしまった事を
後悔していた。
紫耀も大きなため息をつく。
あなたと話さなきゃと
思えば思うほど
どんどん気が重くなっていった。
紫耀は原作を読むのをやめ
床に寝っ転がった。
ーーーーートントントン
紫耀がいる部屋に
ノックの音が響く。
紫耀は返事をせずに、
起き上がって様子を伺っていた。
中から返事が聞こえない為
ドアを開けられる。
入ってきたのは廉と猛だった。
紫耀の前に座る廉と猛。
紫耀は図星を突かれ
苦笑いをしていた。
海人は全部知ってるはずなのに
皆に話してないのか?
そう疑問に思ったが、
紫耀はすぐにわかった。
全部話してしまえば
紫耀のあなたへ対する気持ちも
全部話さなければいけなくなる。
そうなると紫耀がもっと
気まずくなるのではないか、、、
そう考えた海人は
知らないフリをしてくれたのだ。
それが海人の優しさだろう。
紫耀は心の中で
海人に感謝をした。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。