ぶつかって倒れる音がした。
恭平が振り返ると
あなたと知らない女子生徒が
倒れていた。
その光景を見て
恭平は急いであなたに駆け寄った。
あなたはもう一度振り返り
その女子生徒に謝った。
そう言って頭を下げると
あなたは先を行く恭平の方へと
走って行った。
響も頭を下げると
2人を追いかけて行った。
ただ猛だけは違った。
猛が渡したのは
絆創膏だった。
その女子生徒は
なぜ絆創膏を渡されたのかわからず
首を傾げながら受け取る。
猛は笑いながら
自分の手のひらを指さし
《ここ!ここ!》と
ジェスチャーをした。
そう言って先を行く3人を
猛は追いかけた。
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猛はまさかそんな前の話しを
持ち出されるとは思ってもおらず。
茉里の話しの続きを聞くことにした。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。