もちろんその質問で勘付いた紫耀は
俺に言った。
とぼけてはみたけど
やっぱり無駄で、、、
そう言って
紫耀はドストレートに
突いてくる。
俺が彼女といた時に感じていた
身近な幸せの大切さを
歌った1曲。
(仮)をつけたのは
いつかまたその幸せな日々を
彼女と過ごせるように、
という願いからだった。
今は仮の世界でも、、、
(仮)が取れる日が
あるかはわからないけど、、、
もしもまた彼女と過ごせたなら、、、
その時に(仮)を外そうと思って
今はまだタイトルにつけていた。
そう言って紫耀との電話を切り、
またタブレットと睨めっこ。
細かい修正を加えながら
考えるのは彼女の事。
だけど本当は気づいていた。
もう彼女に会える事はないんだって。
気づいてはいたけど、
生きている限り
この世界のどこかに居るわけで、、、
そう思うと
どこかでバッタリ会えるんじゃないか?
と淡い期待を抱いてしまっていた。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!