見るに見かねた廉が
口を挟む。
そう言われて、
さっき廉に対して
怒鳴ってしまった自分が
急に恥ずかしくなった紫耀。
あなたは首を横にふる。
廉は後ろに隠れるあなたの背中を
紫耀の方へと押す。
3人は駅前でタクシーを拾い、
シェアハウスまで帰っていった。
紫耀は先にシャワールームへと向かった。
あなたはパジャマを取りに行き
もう1つのシャワールームへと入る。
シャワーを顔に当て、
涙も全部洗い流した。
そして、すっきりした顔で
リビングをのぞく。
あなたは廉にお礼を言うと、
紫耀の部屋へ向かう。
目を閉じ、大きく深呼吸をする。
ーーーーートントントン
ノックをすると、
いつもの紫耀の声がした。
暖かくて優しくて、、、。
懐かしいこの声。
今から別れ話しを
しなければならないと思うと
胸の奥が締め付けられる。
息の仕方を
忘れてしまいそうなぐらい
胸が苦しかった。
ーーーーーガチャッ
そう言ってクシャッと笑う紫耀。
その笑顔がまた苦しくさせる。
紫耀の部屋に入り
パタンとドアが閉まる。
相変わらず部屋は間接照明だけで
薄暗かった。
投げられたクッションを
キャッチした。
紫耀はベッドに座っていて、
ポンポンと隣にくるようにと
布団をたたく。
いつも通りを装う紫耀だったが、
緊張しているのが伝わってきていた。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!