あなたを抱きしめながら
全てを説明し終えた紫耀は
一度あなたから離れる。
そしてまたそっと
あなたの手を握った。
無いと言わないところをみると
あるんだと判断した紫耀は
優しくあなたに問いただした。
あなたの手に力が入り、
それが必然的に紫耀に伝わる。
聞きたい事、、、
聞きたいというか、
今1番言って欲しい事、、、
あなたは心の中で
紫耀に訴えかけた。
あなたは嘘だ、、と
内心そう思っていた。
そう尋ねる紫耀に向かって
あなたはゆっくりと
縦にうなずいた。
その質問に対して
何も答えないでいると、
そう言いながら、
笑っていた。
そう、、、
聞きたいというか、
今1番言って欲しい事、、、
それは
欲しかったこの
《愛してる》の一言。
素直に言えば
言ってもらえたんだろうけど、
それに気づいて言って欲しいという
欲張りな気持ちもあって、、、
でもそれにちゃんと気がついて
それをちゃんと言葉にして
真っ直ぐに伝えてくれる、、、
そして
どこまでも深い底を知らない愛情を、、、
どこまでも紅く染まった愛情を、、、
いつでもどこでも
注いでくれている。
それが平野紫耀。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。