ーーーーーあなたside
これは夢だとわかってる。
自分でもこれが夢だとわかっていながら
終わらないでと願い続けた。
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《私がそっちに行く》
そう言いかけていたのを
恭平が止めた。
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階段から落ちるような感覚で
目が覚めた。
一瞬今いる場所が分からず
戸惑っていたが
香水のかすかな匂いに
見渡すと廉の私物。
そしてここが廉の部屋で
廉のベッドの上だと把握した。
いくら夢でも
現実を突きつけられた気がした。
《恭平には未来がない》
この言葉を夢にまで出て
伝えにきた意味、、、
今のあなたには
それが到底理解出来ないでいた。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!