まだ車から降りたくなかったが、
タイムリミットを
知らせるかのように
シェアハウスの前に車が止まる。
そう言って文香はあなたの頭を
くしゃくしゃっと撫でた。
ニコっと笑う文香の笑顔は
どこか恭平に似ていた。
弘樹の言いまわしが
どこか恭平に似ていた。
そしてあなたは車から降りた。
あなたは2人が乗る
黒い車を見送りながら
手を振り続けた。
見えなくなり、
急に寂しくなる。
こんな時に限って
King & Princeのシェアハウスは
誰もいない。
いつもは皆がいて
賑わっているリビングも、
静かすぎて、、、。
自分以外この地球上に
誰もいないのではないかと
思うほどだった。
とりあえずリビングのソファーに座り
ボーっとしてみる。
そしてそのまま
いつの間にか
眠ってしまっていた。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!