あなたの後ろ姿を
黙って見つめる紫耀。
紫耀は歩きながら考えていた。
話せば分かり合えるのかもしれない。
でもその先は?
こういう事がずっと続くのか?
そうなるぐらいなら、、、
こんな時マイナスな方向に
考えてしまうのは良くないと
首を左右に思いっきり振った。
歩きながらため息しか
出なかった。
ーーーーーあなたside
歩く振動でさえ
痛みを感じる頬を
片手で隠すようにしながら
楽屋に戻ったあなた。
そんな事しても無駄だった。
頬の腫れはもちろん、
あなたの目を見れば
泣いた形跡があった為
もちろん一瞬にして
バレるわけで、、、。
そして皆から質問攻めに合う。
その質問に対しては
黙ったままのあなた。
そして今まで我慢してきた涙が
また溢れ出す、、。
あなたは鼻水をすすりながら
ひくつきながらも
一生懸命涙をこらえようとしていた。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!