第689話

piece679〜最初で最後の嘘
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2020/01/24 04:13




紫耀は大きく空気を吸い込んで

それを思いっきり吐いた。





平野紫耀
平野紫耀
まずはごめん、、、キスをされたのは事実。
あなた

うん、、。

平野紫耀
平野紫耀
あなたが駅前で初めて祐ちゃんと会ったあの日、タクシーで祐ちゃんが寝てたんだよな。その時顔のぞきこんじゃったから、、、俺があんな近くまで寄ったのが悪かった。あれは反省してる、、ごめんなさい。




紫耀はあなたの方に向かって

頭を下げた。




平野紫耀
平野紫耀
でもマジでそれ以外の事は何もないから!今日祐ちゃんにもハッキリと言ったし。あなたを大事にしたいからもう来ないでって。




その時にあなたは気がついた。

紫耀と祐奈は

付き合っていなかったんだと。





あの時はキスをしたというショックと

相手が祐奈さんだったことに対しての

ショックとで、

そこまで考える余裕が無かった。





それと同時に気づかされる。

祐奈があなたに

嘘をついていた事。






平野紫耀
平野紫耀
俺の事を信じる信じないとかそうゆう問題じゃなくて、自分の好きな人が違う人とキスするって、、、考えただけで嫌だわ。廉とあなたがキスしてるって考えると、あなたがどんな気持ちだったか、痛いぐらい伝わってくる。ホントにごめん。




だけど、もう今となっては

そういう問題ではない。





pieceの存続がかかっているから。






平野紫耀
平野紫耀
もうこんな俺、嫌になった?




嫌になんかなれるわけがなくて、

こんなにも好きが溢れているのに

それを言えないツラさ。




平野紫耀
平野紫耀
あなたは何を思ってるの?その涙の意味は?




そう言われて初めて

自分の目から涙が出ている事に

気がついた。





平野紫耀
平野紫耀
俺との別れを考えてんの?
あなた

ごめん、、なさぃ、、。

平野紫耀
平野紫耀
はぁ、、困ったなー。




紫耀は大きくため息をつく。





平野紫耀
平野紫耀
ごめんなさいが聞きたいわけじゃないけど、ごめんなさいしか言えないって、、何があなたを邪魔してんだろう、、。




紫耀は少し後ろに手をつき、

天井を見上げている。





そんな紫耀を見るだけで

大好きが溢れてきた。





あなた

紫耀、、?

平野紫耀
平野紫耀
ん??




そんなに優しく

見つめないで、、、





もっと酷いことを言って

軽蔑して、、、





あなた

もう、、、






今から言うのは





最初で最後の嘘。





あなた

終わりにしよ、、?





あなたのその一言を聞き、

しばらくの間

沈黙が続いた。





そして紫耀は

急にあなたの事を

ベッドに押し倒した。




平野紫耀
平野紫耀
なぁそれ、、マジで言ってんの?




目に溜まった涙が邪魔をして

紫耀の顔が見えない。




あなた

ごめッッ、、///





謝ろうとしたあなたの口を

紫耀がキスでふさいだ。





平野紫耀
平野紫耀
もうそれ聞き飽きた。
あなた

ヤメ、んッッ、、///





紫耀と何度も何度も

唇を重ねるたびに

幸せだった記憶が

よみがえってきて、、、





もうホントの事を

全部言ってしまおうか、、、

と思ってしまう。





好きだから




大好きだから




離れたくなくて、、、。






このキスが

永遠に続けばいいのに

そんな事まで思ってしまう。






平野紫耀
平野紫耀
これが答えなんじゃねぇの?




目を開けると、

紫耀が真剣な顔で

見つめていた。




平野紫耀
平野紫耀
俺がしたキスを受け入れてくれる、、、これがあなたの本当の気持ちだろ?




ポロポロと涙が

溢れては

ベッドのシーツへと

吸い込まれていった。






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