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私はあの後出久の家にお世話になっていた。
お母さん、お父さんの葬式の時、私は泣けなかった。
涙が出てこなかったんだ。
我ながら、親不孝だな、と思った。
ある日、私にお客さんが来たと出久のお母さんはいった。
そしてドアを開ける。
お客さんは、お姉ちゃんだった。
そして近くの空き地に向かった。
お姉ちゃんはポケットから何かを取り出した。
中身を見る。
入っていたのは、
リボンのピンだった。
メッセージカードを添えてあった。
メッセージカードには
その時、私の中で何かがはち切れた。
私は泣いた。
お姉ちゃんは私を抱きしめてくれた。
そして、
そして、私は出久の家へ帰った。
お父さん、お母さんへ。
今まで私を愛してくれて、ありがとう。
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編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。