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第1話

1.
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2021/03/02 14:05
僕は基本、何も期待しないことにしてる。



期待したら最後。


今までの人生で学んでいた。



俺がまだ幼稚園児だった頃、父親の会社が倒産し、多額の借金を持った。

その事にショックを受けた父は、僕と母をおいて家を出た。


母は女手ひとつで僕を育てようとしたが、借金もあったため現実的に不可能。

ストレスを全て僕に当てるようになった。


おかげさまで僕の体には痣や傷だらけ。

学校にも行かず、近所の公園で一日を過ごし、自殺行為なんて日常茶飯事だった。



自分の人生にはもう、期待なんかしていない。


願わくばこのまま死んでしまいたい。





16歳になってすぐに母が一人で夜逃げした。僕を残して。

僕が邪魔だったのだろう。


僕は多額の借金を背負っている。


返せるわけないだろ、こんなん。




そんな時、家に強面の男の人達が五人ほど来た。


借金取り
借金、キチッと返してくれないと困るんですけど~
真島 凛央(マジマ リオ)
真島 凛央(マジマ リオ)
...返せないです。親どっちも逃げたんで。
借金取り
じゃあ、君が体ではらってよ。内臓を売るとかしてさぁ~親の代わりに君が払うんだよ。恨むなら親を恨みな。
真島 凛央(マジマ リオ)
真島 凛央(マジマ リオ)
...いや、です。
借金取り
嫌とかじゃなくてさぁ...。まぁ、いいや。俺らでコイツの内臓売ろうぜ。
借金取り
そうだな。
真島 凛央(マジマ リオ)
真島 凛央(マジマ リオ)
痛って...
壁に叩きつけられる。




ガシッ
真島 凛央(マジマ リオ)
真島 凛央(マジマ リオ)
おいッ、手ぇ離せ。
内臓売るとかじゃなくて、僕は普通に死にたい。


誰かに殺してほしい。


だから、どうせなら、僕を殺してから内臓を売って欲しかった。
借金取り
じゃあコイツ連れて行こーぜ。
その時、若い顔の整った男性が入ってきて、僕をつかんでいた奴を僕から離した。
保谷 桐也(ホタニ キリヤ)
保谷 桐也(ホタニ キリヤ)
こらこら。子供をいじめない。
借金取り
き、桐谷さん!!でも、コイツ、借金払えなくて...
保谷 桐也(ホタニ キリヤ)
保谷 桐也(ホタニ キリヤ)
...俺が払うよ。その借金。
借金取り
え!?
...は?なに言ってんだろう、この人。

僕の借金は1000万近くあるんだぞ?
保谷 桐也(ホタニ キリヤ)
保谷 桐也(ホタニ キリヤ)
勿論、ただではないよ。
借金取り
でも、桐谷さん、
保谷 桐也(ホタニ キリヤ)
保谷 桐也(ホタニ キリヤ)
...俺の意見に何か反論でも...?
借金取り
な、ないです!!
保谷 桐也(ホタニ キリヤ)
保谷 桐也(ホタニ キリヤ)
だよね。
その人がニコッと微笑む。
保谷 桐也(ホタニ キリヤ)
保谷 桐也(ホタニ キリヤ)
君、名前は?
真島 凛央(マジマ リオ)
真島 凛央(マジマ リオ)
...真島凛央まじまりお
保谷 桐也(ホタニ キリヤ)
保谷 桐也(ホタニ キリヤ)
凛央?素敵な名前だね。俺は保谷桐谷ほたにきりや。よろしくね。
真島 凛央(マジマ リオ)
真島 凛央(マジマ リオ)
はぁ
保谷 桐也(ホタニ キリヤ)
保谷 桐也(ホタニ キリヤ)
じゃあ、俺のとこにおいで。
そういうことで、僕はヤクザの家に行くことになった。




ー続くー





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