第12話

12月24日《LAST》
369
2018/12/10 09:45
あなた
あなた
山田...
山田涼介
山田涼介
うわ、ひっでー顔笑。
こんなときにまで、冗談言うなんて...!
あなた
あなた
大っ嫌い。
山田涼介
山田涼介
嘘だって笑
山田が来てくれたおかげなのか

冷えきった私の心が、じんわりと暖かくなるような安心感が生まれた。


あなた
あなた
私、伊野尾先輩に振られちゃった...
落ち込んでいる様子を悟られないように
笑いながら話したけど


やっぱり辛い。


止めようと思っても涙がこぼれてしまう。
山田涼介
山田涼介
あなたごめん。
あなた
あなた
え...
いきなり謝ってきた山田に驚いて、再び顔を上げた。
山田涼介
山田涼介
俺、昨日伊野尾と話してきた。
これ以上あなたを傷つけるようなことするなって。
どういうこと、



なんで、そんな勝手なことっ...
あなた
あなた
そんなことしなくていい!
私のことなんてほっといてよっ...
すると少しだけ間が空いたと思うと

グイッ
あなた
あなた
えっ、ちょっと...
なんで...



訳も分からぬまま


山田の腕の中に閉じ込められてる私。
山田涼介
山田涼介
ほっとけるわけねえだろ...
俺は、これ以上泣いてるお前見たくない。
山田涼介
山田涼介
お前だって、本当は気づいてたんだろ...
伊野尾のこと。
あなた
あなた
...
図星を突かれて何も言えなくなった私を見て

山田の腕の力が、少し強くなった。
山田涼介
山田涼介
なぁ、俺じゃダメ?
あなた
あなた
なにが...?
すると一旦私の体を離して、深呼吸をした山田。











山田涼介
山田涼介
あなたが好きです。
俺に守らせてください。






驚いたと共に


その真っ直ぐな視線は、私を釘付けにした。







なんで気づかなかったんだろう...

一番隣で私のことを見てくれている人がいたのに


自分のことばっかりで、何も気づかなかった。


あの夏祭りのときも今もそう、いつも私を助けに来てくれた。



山田の気持ちを考えたらまた涙が溢れてきて。
山田涼介
山田涼介
えっ、なんで泣いてるの笑
あなた
あなた
ごめん、山田の気持ちに気づけなくて
ずっと苦しめてたよね...
涙でぐちゃぐちゃな顔で山田に伝えると

ふふっと笑って
山田涼介
山田涼介
本当だよ。笑
お前が他の男の話す度に嫉妬して
この事も、伝えるのに何年かかったことか。笑
あなた
あなた
ごめんっ...
山田涼介
山田涼介
もういいから。泣くな。
あなた
あなた
私、すぐ怒るし嫉妬するし山田のこと困らせるかもよ?
山田涼介
山田涼介
知ってる。そんなあなただから好きなの。
あなた
あなた
そして...
山田涼介
山田涼介
分かってる。
最後は自分で決めて
伊野尾とはちゃんとケリつけてこい。
あなた
あなた
うん。
山田涼介
山田涼介
俺はいつでも待ってるから。
なんで、こんなに優しいの...


今までみたいに冗談言って笑わせてよ。



だけど...
あなた
あなた
ありがとう。山田。
山田涼介
山田涼介
ん。
大切な人がこんなに近くにいるなんて思ってもいなかった。


私ずっとついて行ってもいいのかな?


山田涼介
山田涼介
あとお前、そろそろ山田呼びやめろ。笑
あなた
あなた
山田〜、山田〜。笑
山田涼介
山田涼介
うぜー笑
すると
あなた
あなた
あっ...
私達を包み込むようにライトアップされたクリスマスツリーは今まで見た中で一番美しく輝いていた。


その雰囲気に溶け込まれるように


山田と視線を交わし、唇が触れ合う。









山田涼介
山田涼介
俺が幸せにしてやるから。


24日、クリスマスツリーの前で



新しい恋を始める___________

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