第5話

12月22日【Ryosuke side】
422
2018/11/29 12:43

なんだよ...

あなたのやつ、デートのことばっか。

山田涼介
山田涼介
俺の気持ちも考えろっての。
部活に行く途中、教室に忘れ物をしたことに気づき廊下を歩いてる時だった。


今日のあなたは伊野尾先輩のことしか考えてないし。


中学のときはお互いにプレゼント交換とかしてたな...


なんか今、無性に中学の頃に戻りたい。




こんなことアイツには言えないけど

実際、あんな女好き野郎よりも

俺の方がずっとずっと.....






そのとき
山田涼介
山田涼介
...?
たまたま3年の教室を通りかかろうとしたときに見えた伊野尾と女。


すぐに、物陰に隠れて二人を観察する。

山田涼介
山田涼介
は?
あれ、あなたじゃない。


だとしたら...
女
ねーいいのぉ?笑
私と一緒にいて。
さっき彼女から電話かかってきてたじゃん。
伊野尾慧
伊野尾慧
大丈夫だよ〜
委員会だから先帰ってって言ったから。
あの子顔は可愛いけど鈍いから心配無いって〜
女
そおだね。
それよりも私慧不足だから
かまってよ♡
伊野尾慧
伊野尾慧
当たり前でしょ♡
俺も会いたかった。
どういうことだよ...

あなたのことなんだと思ってんだよ...



確かに、さっきのあなた悲しそうな顔で

「伊野尾先輩、今日も一緒に帰れないんだって」

って言ってた。


全部このためかよ...
山田涼介
山田涼介
あの野郎...っ!
...〜っ!


本当は、今すぐにでも伊野尾を殴りたかった。


でも、足を踏み出せないのは...


『土曜日楽しみだなぁ...』


『このクリスマスツリーで待ち合わせしてるの!』


楽しそうに話してにるあなたの笑顔が

頭をよぎったから。



俺のやろうとしていることが、アイツの楽しみをぶち壊そうとしている。



そう考えると何も出来なかった。



情けない。

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