第45話

ラブコメ的展開に期待
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2020/10/27 10:17
樹side






あ〜、ダメだ。


ガマンできない。


だって、あんなに足を出して、俺が入ってくるってわかってなかったとしてもやめて欲しいっていうか!!


無茶を言ったってことくらいわかってる。


俺は彼氏でもなければ、もしかしたら友達の枠にも入れないかもしれない。


ただの同居人なんだ。


RAMPAGEは好きって言われたけど、


俺が好きって言われたわけじゃない。


あ〜なんでこんなにクヨクヨしてんだ俺。


情けねぇ。


アイツがまだついてこない後ろを振り向きながら、俺はリビングに向かった。


あなたはしばらくして下りてきた。


2人でいつも通り横並びで座る。


……が、なんか距離を感じる……。


さっきので警戒されてる?


そっとあなたの顔を覗くと、


顔を真っ赤にしてプイッと顔を背けられた。
藤原涼子
藤原涼子
2人とも来たわね
すると、母さんが俺たちの向かいの席について、真面目な顔をした。
藤原涼子
藤原涼子
実はお母さんね……2週間、海外に行くわ
倉木(なまえ)
倉木あなた
え?
藤原樹
藤原樹
え?
藤原樹
藤原樹
どうしてまた……
藤原涼子
藤原涼子
パパが病気になっちゃったらしくて。手術まではいかないけど、結構参ってるみたいなの。だから2週間、行ってくるわね。久々にパパに会いたいし!
絶対に最後の一言だろ、行く理由。


ただ2週間ってことは……。


あなたと……2人っきりってことか?


あなたは……それでいいのだろうか。


チラッとあなたを見るけど、驚いているだけでそこから何も変化がない。


コイツ、俺と2人きりって気づいてない?
倉木(なまえ)
倉木あなた
涼子さん、お店は……?
藤原涼子
藤原涼子
大丈夫よ、お休みするわ
お前はそっちの心配かよ?


大丈夫なのか?


俺と2人きり大丈夫なのかよ!?


……まったく意識されていないってことか。
藤原涼子
藤原涼子
あぁ、そうそう
母さんはポンッと思い出したように手を叩くと、にこーっと笑った。
藤原涼子
藤原涼子
あなたちゃん、樹と"ふ・た・り・き・り"だけどよろしくね?
わざと、2人きりを強調しやがって。


あっと声を上げてその事態に気づいたあなたは、キリッと俺を睨みつけてきた。
藤原樹
藤原樹
あなた、俺と2人きりだぞ?いいのか?
あなただって一応……女子だし。


好きでもない奴と2人なんてイヤに決まってるよな。
倉木(なまえ)
倉木あなた
別にいいけど。樹だし
藤原樹
藤原樹
え……
これは、喜んでいいのか……?


いや、ダメだな。


男に見られていないってことだ。
倉木(なまえ)
倉木あなた
樹が買い物に行ってくれるなら、私はなんも問題ないです、涼子さん
……は?


買い物?
倉木(なまえ)
倉木あなた
樹もいいよね?この前やってくれるって言ってたし
そういえば、1週間分の買い物するとかなんとか言っていた気がする。


まさかここで使うとは。
藤原樹
藤原樹
買い物……かよ
倉木(なまえ)
倉木あなた
まぁなんとかなるよね?樹、頑張ろう!
意気込むあなたを、横目に、
藤原樹
藤原樹
はぁ〜
俺は大きく息をついた。

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