第28話

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2020/10/06 09:53
それからというもの……。


RAMPAGEの4人が泊まりに来ようと来なかろうと、私と樹は一緒に登校するようになった。


今まで遅くに起きて毎日遅刻していた樹の心境に、どんな変化が起きたのか謎。


というか、今まで同じ所に住みながら、まったく顔を合わせていなかったのがおかしかったんだ。


私は自分のベッドに座って体をバウンドさせていた。


無駄に広い部屋。


殺風景だな……。


なんか置こうかな。


ぼーっと考えていると、バンッという音とともにドアが盛大に開く。
藤原樹
藤原樹
おい、あなた。俺、明日は日直で朝早いから
倉木(なまえ)
倉木あなた
いや、いつも言ってるでしょ。ノックぐらいしてよ
いつもこれ。


一応これでも女だよ?


着替えてたらどうすんの?
藤原樹
藤原樹
……あなたにノックなんていらないだろ。俺の家だし
正論のようで正論じゃないし……。


樹の家でも私の部屋なんだから……。
藤原樹
藤原樹
……で?わかったのか?明日
倉木(なまえ)
倉木あなた
聞いてたよ。明日は朝が早いんでしょ。了解
わざわざ言わなくても、朝起きて樹がいなかったら気づくって。


それに、毎朝たまたま同じ時間に家を出てるから一緒に登校してるだけであって、特別に約束なんてしてないし……。


勝手に行けばいいのに……。


樹の意味のわからない言動に首をかしげるけど、まぁいいか……。
藤原樹
藤原樹
本当にわかってんだろうな……お前もだぞ?
倉木(なまえ)
倉木あなた
え?
私も?朝早く行くの?


……なんで?
藤原樹
藤原樹
なんで、って顔してるな
倉木(なまえ)
倉木あなた
ホントだよ
藤原樹
藤原樹
だってお前、毎日俺と一緒に登校してるじゃん
倉木(なまえ)
倉木あなた
だから何?
藤原樹
藤原樹
俺に合わせろよ
倉木(なまえ)
倉木あなた
イヤだ、しかも一緒に登校してるのは、たまたま時間が被るからでしょ
藤原樹
藤原樹
は?俺が合わせてんの気づけよ
倉木(なまえ)
倉木あなた
え、嘘でしょ
樹、いつも私に合わせてたの?


なんで?


そんなに1人で登校したくなかったわけ?
倉木(なまえ)
倉木あなた
……ただでさえ目をつけられてるのに
今まで翔平と仲が良かったけど、らそれはお昼ご飯を一緒に食べたり教室で話したりするくらいだった。


まぁ、何より翔平は恋人というよりお友達になりたい感じなんだろうけど。


樹は違う。


樹は総長なのだ。


こんな奴でも総長なのだ。


こんな俺様で自己中で性格が悪くても総長なのだ。


……女子から嫉妬がないわけがない。


まだ呼び出しリンチがないだけマシだと思う。


靴の中に画びょうとか、ノートにめっちゃ落書きされるとかたまにあるし。


けど、確かに彼女たちの気持ちも分かってしまう。


樹の彼女でもない私が、毎日隣を歩いて登校してるんだもん。


そりゃ、なんでだろうってなるよね。
藤原樹
藤原樹
は?お前、目ぇつけられたり、いじめられたりしてんのかよ?
倉木(なまえ)
倉木あなた
いじめとか言っていいか分からないけど……。靴の中に画びょうとかならあるよ?
藤原樹
藤原樹
立派ないじめじゃねぇか……。大丈夫なのか?
倉木(なまえ)
倉木あなた
え?気づいてなかった?
結構、聞こえるように悪口言われたりとかわ、明らかにわざと足を引っ掛けられたりもしてるけど。


樹にバレないうにしてるのか?


……うまいな。
藤原樹
藤原樹
わかるわけねぇだろ。……学年も違うし……
語尾がちょっとにごった。


口を尖らせている。


……子どもか。
倉木(なまえ)
倉木あなた
言っとくけど、アンタがまいた種だから
私はベッドから立ち上がると、ドアのそばにいる樹の方へ歩き出す。


そして、樹の目の前に立つと、
藤原樹
藤原樹
いでっっ!!
樹のおでこに思いっきりデコピンをした。
藤原樹
藤原樹
何すんだよあなた!
倉木(なまえ)
倉木あなた
……ちょっと、説教として
藤原樹
藤原樹
だから、なんで俺が
倉木(なまえ)
倉木あなた
……一緒に登校してもいいけど、人の目もあるんだから。まさか、自分が人気者の総長さんって忘れてないよね?自分で言ってたもんね?
藤原樹
藤原樹
……だからなんだよ
あ、やっぱり否定しないんだ。


このナルシスト……。
倉木(なまえ)
倉木あなた
……分かってるんだったら、私のこと、ちゃんと見張っててよね

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