「「こんちわっす!!」」
付き合いはじめて数日。
今日は樹から絶対に来いと言われ、久々にRAMPAGEの倉庫に来ている。
絶対に来いって言われると、行きたくなくなるのは私だけかもしれないけど、それが理由で来たくなかった。
しかも、なんでこんなに人数がいるの。
まるで翔吾の引退の時みたいだな〜。
あれ?
まさか、また誰か抜けるの!?
倉庫に入ると、そこにはいないはずの人が。
そう、翔吾が倉庫にいた。
お姉ちゃん孝行するってRAMPAGEを抜けた。
勉強してんの……?平気……?
あぁ……翔吾は絶対来いって言われたら行きたくなるタイプなのね。
私とは反対だ。
あれま、4人ともお揃いで。
みんなからの祝福が、少し恥ずかしい。
声がして振り返ると、そこには樹が立っていて、みんな一斉に静まった。
壱馬にも言わず独断?
なんだろう。
「「「うおおおおおお」」」
マジか、待てよ待て待て?
それだけ言うために集めたんじゃないよね?
「やっぱ付き合ったかー!あなたさん面白いし、いいカップルになるだろうな!」
「総長おめでとうございます!!」
あの……っ、えっと……。
そして樹は、衝撃的な一言を発した。
「「「っしゃぁぁあ!!」」」
いやいや、姫?姫ぇ?
勝手すぎる。
そして、まだ諦めていなかったのか。
自分勝手な俺様総長め。
私のためを思ってくれたのは嬉しいけど……。
私の声が倉庫に響く。
RAMPAGEのみんなが、私の方へ視線を向けている。
これだけは譲れないから!
無茶なお願いかな?
けど、樹の大切なRAMPAGEをもっと見てみたい。
樹は私の頭をポンポンとすると、RAMPAGEのみんなに向き直る。
「いいっすよ〜!」
「あなたさんと友達になりたいっす!」
「確かに姫さんって感じじゃないっすもんね!」
うんうん!
みんなありがとう。
最後の人の発言は正しいけど、自分で言ったこととはいえ悔しいのだが……。
「「「お〜う!!」」」
翔平の掛け声のもとに、色々な色の頭をしたヤンキーたちがせっせと動きまわる。
そんな光景を見ながら、私は胸がポカポカした気持ちになっていた。
温かい場所。
温かい人。
大好きな、人。
隣にいる樹が私の彼氏。
なんて、信じられないけど、本当のことなんだ。
これから、樹と、RAMPAGEのみんなと……。
どんな日々を歩んでいくのだろう。
きっと想像もできないくらいのワクワクが、待っているのだろう。
守ってくれると言った樹。
そんな樹を、私も守ると約束した。
駆け出そうとした私の手首を引いて、チュッとキスをした樹。
私はこの手を繋いでいられるかな。
ううん、離さない。
きっと、これからもずっと。
この腹黒で俺様な総長くんが隣にいてくれる限り。
Fin.
作者です。
ここまで読んでいただきありがとうございました!!
いつもいいねやたくさんのお気に入り、コメントまでありがとうございました!!
いつも楽しみに読んでくださっていた方、本当にありがとうございました!!
残念ながらこのお話はこれで完結です。
良かったら感想お待ちしてます!
近々また新しい話を出そうと思ってるのでお楽しみに!!
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。
登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。