第38話

納得いかない
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2020/10/18 10:35
陸くんを好きか、RAMPAGEを好きか……。


私は樹の部屋を出て、制服も着替えずに自分のベッドにダイブしていた。


……灯り、まぶしいな。


陸くんはいい人だと思うし、あの学校で唯一まともな人だし。


仲良くなりたいと思う。


もっと話したいと思う。


……けど、好きかって言われると、まだあったばかりだしよく分からない。


……なら、RAMPAGEが好きってこと?


正直、最近の私の気持ちは、これに近い。


RAMPAGEは楽しくて、みんな私に優しく接してくれて。


警察に追いかけられたりもしたけど、たくさん笑った。


笑いあった。


もう、
倉木(なまえ)
倉木あなた
嫌いなわけ、ないじゃん……
そんな気持ちと同時に、樹とバイクに乗ったこと、買い物に行ったこと、たまり場でバカやったこと。


私のRAMPAGEとの思い出全部の中心に樹がいて。


部屋に勝手に入ってきて毎日言い合いになること、それも少し楽しいと思っていること。


私が元気ない時に真っ先に気づいてくれたこと。


最近の私の生活は、全部樹だらけだ。


大嫌いだったヤンキーが、なぜかこんなにも居心地のいい存在になってるなんて。


でも、そう気づいたのと同時に、お母さんのことが思い出された。

倉木(なまえ)
倉木あなた
……ダメだ
私の中でヤンキーが嫌いという気持ちも消えないし、


彼らのことを大切という気持ちも消えない。


樹への気持ちは……、気づきかけのまま忘れられるだろうか。


樹と話したことで確実に答えはでた。


それでも、認めたくない気持ちが強くて、頭の中がパンクしそうだ。


RAMPAGEのことが好き?


嫌い?


樹のことは……?


自分の中で気持ちがケンカしている。
倉木(なまえ)
倉木あなた
……寝よう
寝て起きたら全て忘れて、解決する気がした。


そんなわけないってわかってるけど。


帰ってきた格好のまま、ベッドに潜り込む。


時間も時間だし眠れるわけがないんだけど、今の私には寝転ぶ以外、なにもできない気がした。

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