第3話

419
2021/04/20 08:17
廉side



俺は海人のことが好きだ。


ずっと前から、海人のことが気になって、


気づいた頃には恋していた。


でも、ある日俺は勝手に失恋した。



半年前…


かいと
かいと
れん、今日ひま?
れん
れん
暇やけど?
かいと
かいと
あのさ、ご飯行かない?
海人からご飯に誘われたことがすごく嬉しくて、表情筋が緩むのが自分でもわかる。

俺、キモイな、笑
れん
れん
ええよ、久しぶりやな
かいと
かいと
だね笑
雑誌の撮影も終わり、ご飯屋さんに着く。

個室に入り2人で机を挟んで座った。
かいと
かいと
あのさ、れん、
すると海人がすごく真面目そうな顔で話してきた。
れん
れん
え、なに?
かいと
かいと
廉に言いたいことがあって、
なにそれ、期待しちゃうやん。

でも、絶対違う。

なんか、聞いたらあかん気がした。

これ以上、何も。

でも、俺の脳と口は繋がっていないのか思っていることと真逆の言葉が出る。
れん
れん
ええよ、
かいと
かいと
ひかないでね?
れん
れん
ひかへんよ?
かいと
かいと
ほんと、?
れん
れん
ほんまやって笑なに?
かいと
かいと
俺さ、
かいと
かいと
紫耀のことが好きなんだよね、Loveの方で
ほら、


こんなんやったらご飯なんて来なけりゃ良かった。


分かってた。


海人の目に俺が映ってないってこと。


いつも海人の目線の先には紫耀がおって。


紫耀に適うことは多分ない。


でもさ、諦めたくないんだよ。


とりあえずは、海人の幸せが一番だから。


応援するね?


いつかは紫耀から奪うけどね、
れん
れん
そうなんや、ええやん。
応援すんで?なんかあったら言ってな?
かいと
かいと
ありがとう、ひかない?
れん
れん
ひかへんよ笑
岸くんは怒るかもな〜グループ内恋愛禁止やし
かいと
かいと
確かにね笑
廉に相談して良かった!
ありがとう
れん
れん
いいえ〜
そう言ってその日は2人で飲んだ。

きっと俺はこれから辛い思いするだろうな。

って思ったのが半年前。


今はこのとおり、海人は紫耀にデレデレだし、

紫耀は海人を抱きしめながらチラチラ俺の方見てきて、

なに?煽ってるん?

紫耀になんか負けへんから。

どうせ今日も、海人と飲みに行って紫耀のこと聞かされて、悲しくなるだけなんだろうけど。


それでも諦めきれないのは、きっと、それほど海人のことが好きってこと。


絶対に諦めないから。




to be continued

プリ小説オーディオドラマ