現在、放課後。
例の先輩のお呼び出しお時刻は放課後すぐらしく。
もーそりゃ96ちゃんが早く早くと私をせかす。
何回も何回も言うもんだから耳を塞ぐ暇もない。
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告白イベントも終了して、やっと帰れると思って校門を出るとそこに居るはずの96ちゃんがいない。
ハァァアッッハァッ!?!?!
もしかして…………誘拐!!?!?!
そうとなれば大変だ、まずお母さんに電話かけて「今日の晩御飯はタコライスがいいな♡」って言うでしょ、それでそれで……!!
……!!!!!
突然の、私の好きな人。
「行く?」と同時に首を傾げる天月くん。
ヴッッッ本当に自分の映える位置と私が喜ぶ仕草(?)が分かっているようで、私が失血死しても良いのだろうか……と思ってしまう。
なんでこんなにも彼が好きなのか自分でもわかっていないけれど、好きなものは好きだからしょうがない。
私がそう言うと天月くんは歩き出した。
その横を私が歩く。
さりげなく車道側に移動した天月くん。
はぁ、これだからイケメンは困るんだよ。
天月くん今日も絶好調だ。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。