私、チョウ・ツウィ18歳の高校3年生
これは今から5年前(中学2年生)の私のお話なんだけど....
当時の私はどうやらみんなから嫌われてたらしい
まぁ、こんな感じの性格がその原因のひとつらしい
元々小さい時から周りから少し変わっていると大人からも先生からも友達からも言われていた
でもさ、私から言えば「何が?」って思う
思ったことをただ口にしてるだけだし
陰で言えば陰口になるけど面と向かってその子に言ってあげればその事ためにもなるし陰口にもならない
好きな食べ物だって好きなことだって自分が好きなんだからそれでいいじゃないか
それで誰かに迷惑をかける訳でもない
なのに
いつかは思い出せないけど、学校のホームルームの時担任の先生がそう言ってきた
普通って何?
私が私でいることがおかしいってことなの?
その時からだったかな、みんなが私への態度が変わったのは
ーバシャ🪣!!ー
クラスに入った瞬間クラスメートから水をかけられた
今思うとドラマの見すぎかと思うほどありきたりの嫌がらせ
でもそんなの私には関係ない
私は濡れた制服を着替えようと席から運動着袋を取り教室を出ようとした
そしたらドアの近くにいた男子たちが
そういってきた、けど
ーパチン!ー
それと同時にビンタが私のほっぺに激しく当たった
あまりに強かったため私は机にぶつかってしまってそのまま意識が無くなった
再び身を覚ました時私は保健室のベットの上にいた
そう心配そうに言ってきてくれたけど
私は思ったことをまんま口にした
保健室の先生も、一瞬で心配の顔が少し不満そうな顔つきになった
早口でそう言うと私を追い出すかのように部屋のドアを閉めた
私は殴られたほっぺを触りながら階段を上がり教室のドアを開けると
教室にいる全員がいっせいに私のところを見てきた
別に、ここで教室に入らない訳にもいかないから教室に入り自分の先のところに行こうとした
けど.....
本来私の席が置いてあるところに私の席がなかった
周りでは私の姿を見てコソコソと話している人もいれば笑ってる人もいた
横目でそう言うと
先生はまるで私がいないかのように接した
周りのみんなもその姿にクスクスと声を出しながら笑っていた
この時初めて人間が「気持ち悪い」そう思った
今まで周りから変わってるとかおかしいんだねって散々言われてきて、それでも私は私だしそれが悪いだなんて思ったこともないし気にしても来なかった
けど
人が化け物に見えた
そっから私は学校に行けなくなった
来年は高校の受験も控えているというのに一日中部屋に引きこもってずっと本やビデオを見て「普通」について調べていた
自分自身でいることが普通じゃないならそれ以外に何があるの
私はひたすらそのことについて調べた
けど
気づけば私は中学三年生になっていた
学校に行かなくなってから半年間
一向に答えは見つからずただただ時間だけがすぎていた
何の気なしにふと
外の空気に触れたくなった
あれからあまり外に出ていなかったせいか玄関から1歩歩いただけでも少し足が震えた
それでもせっかく外に出たのだからと思い
ゆっくりゆっくりと1歩ずつ歩いていると
学校まだ来ていた
別にもう何も怖くない
あの時の気持ちはもうない
けど、分からなくなってしまった
なぜ学校に行かなくてはならないのか、なぜ普通にしてなくてはならないのか
なぜ私は生きているのか?
私が生きてる意味って一体?
気づけば学校の制服を着た女の子が私の目の前にいた
少しつれ目なめで私を見ている
半年前と言うとちょうど私が学校に行かなくなってからチェヨンは来たのだ
正直私には関係ない
後ろを向きに歩き出そうとした時
チェヨンが私の服を引っ張った
またやってしまった
さっきまでつまらなそうな顔をしていた彼女の顔が笑顔に変わった
初めてだった
自分の性格を好きだと言ってくれたのは
何も言えなかった
だって分からなかったから
チェヨンのそんな言葉を聞くと私は大声で泣きながら地面にしゃがみ込んだ
チェヨンは地面にしゃがみ込んだ私の前に目線を合わせて手を差し出した
そういい、もう1度チェヨンは笑った
たった数分前に出会った女の子で一体何が変わるのだろう
まだ名前しか分からない彼女を信じてもいいのか
いや、そんなのは関係ない
彼女はこんな私を初めて「受け入れてくれた人」なのだから
生まれてから今日まで誰からも自分を受け入れてもらえなかった、変わってる、おかしい、そんなことを言われる日々だった
けど、あなたはそんな私を好きだと言ってくれた、一緒にいたいと思ってくれた
そんなの断る理由なんてないよ
私はそっと右手でチェヨンの手を優しく握った
私は泣くのをやめて、今まで間にないくらいの笑顔でそう言った。
その途端今まで抱え込んでいたことが一気に解けてなんだか気持ちが楽になった気がした。
その日から私は少しずつ学校にも行くようになって、気づけば前みたいに周りのことが気にならなくなっていた。
気づけば私は教室の机の上で寝ていた
横では本を読んでこちらを見ているチェヨンがいた
寝ていたからだをゆっくりと起こしチェヨンの方を見た
読んでいた本をパタンと折りたたみ席を立ったチェヨンは私のカバンを差し出してきた
学校からの帰り道ふとそんな話をした
私はチェヨンに抱きつきそのまま走った
私が走り出した時チェヨンが何かを言っていたけど私には聞こえなかった
スタスタ🏃♂️!!
私が自分らしくいられてるのはチェヨンという友達がいてくれたからだと思う
それをどう思うかは人それぞれだと思うけど、少なくとも私はチェヨンのおかげで今日まで自分らしくいれた
だってひとりじゃ何もできないもん
自分らしくいたいならまず友達を、自分自身を信じてみよう
友達がいなきゃ自分らしさなんて無くなっちゃうよ
そう
きっと、あの時私がチェヨンと初めで出会った日も
私が、私自身が道を開いたんだ
あの時から私はもう、「普通」なんて言葉どうでもよかったのだ
私のように誰かに「おかしい」とか「変わってる」とか言われてる子達にもわかっていて欲しい
自分らしくいる、それが一番自分が幸せになる方法だよ
だってそのおかげで私は今幸せだから
自分のことを悪く言うやつなんて気にしなくていい、自分のことを受け入れてくれる人、そばに居てくれる人がいればそれでいいんだよ
それと、たまにちゃんとお礼もしなきゃね!
完
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。
登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。