「 大きくなったら 、おれ と けっこん しよ 」
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漫画や小説でよくある 、幼い頃のプロポーズ
俺も 、そんなことをしていた一人
... 今思うとめっちゃ恥ずかしいけど 。
まだ恋の意味も愛の意味も知らんかった頃
よく遊ぶ 、いつも一緒に居る
一つ年下の幼馴染 。
俺の方が年上やから格好良く居たい とか
泣き虫なあなたを守ってあげないと とか 。
多分 、そんな気持ちを幼いながらに
持ってたんやと思う 。
小さい頃の俺のプロポーズに
「 だいちゃん と けっこん する! 」なんて
答えたあなたの返事に舞い上がった俺は
おかんに強請って 、おもちゃの指輪を買ってもらい
あなたに「 けっこん の 約束 」と渡した 。
まあ ... 所謂 婚約指輪ってやつ
当時の俺はそんなこと思ってなかったやろうけど 。
おもちゃの指輪をもらって
嬉しそうに笑うあなたの頬にキスをしたことは
高校生になった今でもはっきりと覚えてる 。
... あなたは覚えてんのかな 。
もうそんな指輪無くなってしまったかな 。
物心ついた時にはあなたへの気持ちが
〝 恋 〟だということに気付いて
あなたが俺と同じ学校に入学してきてから
その気持ちは益々大きくなって 。
俺はずっとあなたのことが好きなんや って
あの頃みたいに伝えられたらええのに ...
今の関係が壊れることを恐れて
俺は 、動き出せずにいる
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お前は覚えていますか 、。
あの日交わした結婚の約束を
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。