第2話

優しい君に《松村北斗》
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2021/07/20 09:34








あなたside










『…えっ?! ウソでしょ?!』




テレビをつければ


そこに居たのは昨日も一緒にいた彼の姿




『国宝級イケメンって…』




まさか、私の彼氏が


大好きな平野紫耀くんと同じ



あの「国宝級イケメンランキング」で


1位をとったなんて…(




『お祝いしなきゃ!!


電話でもしようかな……迷惑か』










とりあえず彼のために


夜ご飯を作って帰りを待つことにした




「今日、何時くらいに帰って来れる?」


とだけ送ってスマホを置く




















自分の彼氏は国宝級イケメンなのに


私はこのままでいいのかな?なんて




ソファーに座りながら思った




北斗はメンバーさん以外の人に


私と付き合ってることを言ってないらしい




でも、いつかは


言わなきゃいけない時がくるだろうし




その時に私が北斗と釣り合わないような


見た目と中身だとなぁ……




きっと北斗のファンに怒られるっていうか




北斗がなんであんな奴にしたんだって


責められるかもしれないし…




現実はすごく厳しい




















『はぁ…なんで泣いてんだろ泣』




北斗の方が頑張ってるのに


なんでこんなことで泣いてるんだろ




もしかしたら北斗が帰ってくるかもしれないし


早く泣き止まなきゃって思えば思うほど


涙は溢れてくる




ソファーの上でまるまっていると


そのまま寝てしまっていた




















松村side










「あと1時間でレッスン終わる」


「レッスン終わったよ、今から家帰るね」


「もうすぐ着く」




まったく既読がつかない




ご飯でも作ってるのか、お風呂に入ってるのか


もしかしたら、何かあったのかな?




なんて少しドキドキしながら家に入る




松村「ただいま〜」




いつもなら走って飛びついてくる彼女の姿も


今日はない




















松村「あなた〜どこにいんの〜」




リビングに行くと




松村「こんな場所で寝てたんだ笑」




ソファーの上でまるまって寝ているあなた


ベットまで運ぼうとした時




松村「…なにこれ」




あなたの頬には涙のあとがあった




松村「…たまには頼れよ」




彼女の頭を少しポンポンしながら


そういえば、今まで甘えられたことはあるけど


頼られたことって全然なかったなと思った




『…ほく、と?』




松村「そーだよ、ただいま」




『おかえりニコッ



あっ、そーだ!国宝級イケメンランキング


1位おめでとう!』




松村「おぉ〜ありがと!知ってたんだ」




『さっきニュースで見たの』




松村「そっか笑


…なんか、元気そうだね」




『うん、元気だよ?いきなりどうしたの?笑』




松村「さっきまで…泣いてた?」




『…なんでそう思ったの?笑』




松村「涙のあと、残ってるから


…もうちょっと頼ってよ、俺に」




『…うん』




松村「ちょっ、あなた?!」




また、あなたが泣き出してしまった




















あなたside










北斗に心配をかける自分なんて嫌いだ




気づいたら涙がまた溢れてきて


さらに北斗に心配をかけさせた




松村「なんで泣いてんの?」




私のことをギュッとしながら


優しく聞いてくれる彼は、私にはもったいない




『北斗と私って、釣り合わないよね…


見た目も、中身も全部…』




松村「それで泣いてたの?」




『迷惑だよね!!笑



北斗は仕事で疲れてるのに…


泣いてる彼女慰めなきゃいけないとか…』




松村「…なんでさ、こうやって壊れるまで


俺に頼ってくれないの?



俺、あなたの彼氏なんだけど


頼ってもらえない方が辛いから、さ?」




『…うん』




松村「もっと頼ってくれない?



俺が、あなたのこと笑顔にするって


約束するからさ」




『うん、ありがとニコッ』




















松村「あなたは優しいよな


俺のために悩んでくれたんでしょ?」




『…うん、でも北斗の方が優しいよ』




松村「そうかな?笑」




『じゃあ国宝級イケメンランキング1位の


お祝いに、



今日はずっと手つないで寝てあげる!』




松村「あなたがやりたいだけじゃん笑」




『ふふっ、バレた?笑』




北斗の手をギュッと握る










松村「あなたのこと


絶対に、一生離したりしないからね?」




『私も、絶対に離さないから』




これからも2人で支えあっていこうね













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