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第12話

処刑
2月14日。

ペルカリア祭の前日。

バレンタイン司祭が祭の生贄として処刑される日。



レオンはミリアと共に、処刑台に登る司祭を見ていた。



結局、恩人を助けることの出来なかった自分の無力さを不甲斐なく思いながら。


きっと、今の自分はひどい顔だろう。


妙に冷静な頭が言う。



恩人が今、目の前で、死に直面しているのに、
頭は驚くほど冴えきっている。

その反面、感情は留まる所を知らず、
その奔流が雫となって頬を伝った。









司祭が処刑台に登り、足下に火がつけられた。


炎は瞬く間に燃え上がり、司祭の姿を包み込んだ。

炎の熱が離れていても感じられる。



涙が溢れだした。

誰かが叫ぶ声が聞こえる。

喉が痛い。




叫び声は自分のものだった。





司祭と目があった。


司祭は刑の苦しさなど感じさせない笑みを浮かべた。


『大丈夫』


そう言うかのように。




炎が収まった時、司祭の姿はもう無かった。


司祭は死んだ、
と十二分に理解できてしまう光景だった。



しかし、その光景は頭の表面を滑り、
通り過ぎていく。

脳が理解するのを、拒むようだった。