『兵士は、恋人や想い人を持ってはならない』
軍人皇帝が一人クラウディウス2世陛下のもと出された奇妙な御触れ。
それは、兵士達の間で瞬く間に広まった。
多くの兵士が、混乱する中、レオンもまた、その一人だった。
レオンは田舎の出で、徴兵されて兵士となった。
彼には幼い頃からの間柄である少女がいた。
先日、その少女に、なけなしの勇気を振り絞って自分の思いを告げ、晴れて恋人となったばかりだった。
婚約までしていたのだ。
しかし、こんな御触れが出てしまっては、それどころでは無い。
今、式を挙げようものなら、確実に処刑されるだろう。
しかし、この御触れが取り消されるまでに、果たして戦場で自分は生き残れるだろうか?
そもそも、この御触れは取り消されるだろうか?
そんな考えばかりが頭の中を埋め尽くす。
考えが消えることは無く、暗い気持ちのままレオンは帰路についた。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。