目を覚ますと空はもう暗くなっていた。
俺の記憶では明るかったはずなのに…
起き上がろうとしたができなかった。それに体中が痛い。
体の方に目を向けると、俺の体は縄で縛られていた。
どうしてこうなったんだ?
必死に記憶のある昼間を思い出す。
昼間を思い返してみると、
その前の晩に俺は小さな温泉街で鬼を斬った。
そして次の目的地に向けて歩みを進めていた。
などと考えながらぼんやりと歩いていると、
十人くらいの人に囲まれてそう問われた。
そういいながら女の人が飛び降りてきた。
“なんでそんなことをするのか”理由を聞こうとしたがその前に女の人が近づいてきてそれと同時に、俺の腕にチクッとした痛みが走った。
これが俺が聞いた最後の言葉だった。
そして今、縄で縛られている。
そういいながら傷だらけの男の人が禰豆子のいる箱を持ってやってきた。
そう言って男は刀を振り上げた。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。