第17話

離れたくない
525
2020/09/20 14:00
ガシッ
竈門炭治郎
竈門炭治郎
ちょっと待ってくれないか?
あなた

え?

立ち上がろうと腰をあげた瞬間、
炭治郎が私の腕を掴んで、その動きを止めた。
あなた

なんで?

竈門炭治郎
竈門炭治郎
もう少しだけ、二人っきりでいたい。
優しくそう言われる。
あなた

でも怪我が…

あなた

私、もう不安になりたくない。
寂しかったんだから。
炭治郎には生きててほしいから。

また思いが込み上げてきて、
大量の大粒の涙を流してしまう。
あなた

だって…だって…
私、炭治郎のことが…

そこで急に喋れなくなった。
炭治郎が口を押さえてきたからだ。
竈門炭治郎
竈門炭治郎
そこから先は言わないでくれ。
私の涙を拭いながらそう言った。
あなた

そう…だよね…
命の危機に追いやったやつなんか
嫌だよね。ごめんね。

そう言って部屋から出ようとすると
また体を強く引かれ気づけば
炭治郎の腕のなかにいた。
竈門炭治郎
竈門炭治郎
違う。そうじゃない。
俺の気持ちは違うんだ。
竈門炭治郎
竈門炭治郎
約束しただろ?
竈門炭治郎
竈門炭治郎
それは俺から言わせてくれ。
そう言うと炭治郎は腕を離した。
竈門炭治郎
竈門炭治郎
好きだ、あなた。
あなた

え?

予想外の言葉に頭が混乱してしまった。
竈門炭治郎
竈門炭治郎
ずっと好きでした。
俺と付き合ってください。
信じられなかった。
まだ炭治郎が私のことを
思ってくれていたなんて。
あなた

はい。
こちらこそよろしくお願いします。

私はまた涙を流してしまった。
竈門炭治郎
竈門炭治郎
もう泣くなよ。
そう言って炭治郎は私の涙を拭う。
あなた

ごめん。嬉しくて。

竈門炭治郎
竈門炭治郎
俺は初めてあったときから
あなたの笑った顔が好きなんだから。
竈門炭治郎
竈門炭治郎
一目惚れしちゃってたみたい。
そう言ってまた抱き締められる。
あなた

ありがとう。

あなた

私も炭治郎の優しくて、
かっこいいところに惚れちゃった。

あなた

私のことを、
そんなに大切に思って、
守ってくれるなんて。

竈門炭治郎
竈門炭治郎
当たり前だ。
竈門炭治郎
竈門炭治郎
言ったろ?俺が守るって。
あなた

まさかそこまでとは。

あなた

はっ!

そこで私は思い出してしまった。
あなた

それより炭治郎の怪我。
しのぶさん呼んで見てもらわなきゃ。

しかし、炭治郎は腕を離してくれなかった。
あなた

ちょっ、炭治郎。
しのぶさん呼んで来るから
腕離して。

竈門炭治郎
竈門炭治郎
嫌だ。
あなた

なんで?

竈門炭治郎
竈門炭治郎
言ったろ?離れたくないって。
竈門炭治郎
竈門炭治郎
しばらくこのままでいちゃダメか?
あなた

だって炭治郎に何かあったら、
これから先私、どうしたらいいの?

あなた

寂しいって言ったじゃん。
私も炭治郎と離れたくない。
だから見てもらわなきゃ。

竈門炭治郎
竈門炭治郎
大丈夫。
あなたを置いていかないから。
そう言って頭を撫でられる。
竈門炭治郎
竈門炭治郎
だからもう少し
このままでいてもいいか?
私は炭治郎の腕のなかで、
うつむきながら
小さくうなずいた。
竈門炭治郎
竈門炭治郎
ありがとう。
そう言うと少し腕の力が強くなった。
竈門炭治郎
竈門炭治郎
あなた
急に名前を呼ばれて、
それと同時に顎を持ち上げられる。
世に言う顎クイだ。
竈門炭治郎
竈門炭治郎
俺はこれからも
ずっと離れたくない。
竈門炭治郎
竈門炭治郎
こんな気持ちはじめてで
どうしたらいいのか
よくわからないが…
竈門炭治郎
竈門炭治郎
でも、これだけは
断言できる。
それは、この先も変わらない。
竈門炭治郎
竈門炭治郎
愛してるよ、あなた。
そう言って炭治郎は私と唇を重ねた。
そのキスはとても長く、とても甘かった。

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