優斗「ただいま〜(ガチャッ」
『おかえり 、来ると思ってた 笑』
優斗「だってあなたの料理美味いから !」
『ありがとう 。じゃあ手洗ってきて』
優斗「はーい !」
ドタドタと足音をたてて洗面所へ走っていく優斗くん 。
なんだか子供みたい 笑
クスリと笑っていると 、優斗くんが戻ってきた 。
優斗「ん ?なんで笑ってんの ??」
『ふふ 、なんでもないよ 。食べよっか』
優斗「うん !!」
優斗「あ〜美味しかった〜 !」
『ほんと美味しそうに食べてたね 笑』
優斗「美味しいからね ♡♡」
『ちょっときもい』←
優斗「え 、ひどっ !!」
『ごめんごめん 笑
ところで 、那須くんに私のLINE教えた ?』
優斗「あ 、教えたよ !あなたが心配って言ってたから !」
『そっか』
優斗「てか 、なんで知ってるの ?」
『さっき那須くんからLINEがきたの』
優斗「あ 、そうなんだ !」
優斗くんが帰ったあと 。
ガチャッ 、とドアを開くと見えた部屋の中 。
私より少し大きめの部屋で 、ドラムやピアノをはじめとしたたくさんの楽器が置いてある 。
ここは 、お姉ちゃんの部屋 。
お姉ちゃんが死んでも 、ずっとこのままにしてる 。
ところどころ 、破れてる壁紙 。
ふわふわなベッド 。
丁寧に手入れされてあった楽器 。
家具の配置も 、全部変えてない 。
『ねえ 、お姉ちゃん』
私は部屋にある写真の中のお姉ちゃんに話しかけた 。
『私 、自信がないの 。ほんとに私で大丈夫かな ?』
そんなことを聞いたって 、返事は帰ってこない 。
『はぁ ……… 』
諦めて 、ピアノの前に座った 。
お姉ちゃんから教えてもらったピアノの弾き方 。
思い出して 、鍵盤に指を置く 。
『走り出せ 走り出せ 明日を迎えに行こう
君だけの音を聞かせてよ 全部感じてるよ
止めないで 止めないで 今を動かす気持ち
どんなに小さなつぼみでも 一つだけのHappiness』
この曲は 、お姉ちゃんが大好きだった曲 。
"君だけの音"
そのフレーズが好きだったみたい 。
お姉ちゃんだけの音 。
そして 、
『 …… 私だけの音』
カサッ
『え ?』
音がした方を見ると 、
"あなた"
『お 、お姉ちゃん !?!?』
お姉ちゃんがいた 。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!