『あ 、でもまだちゃんと完成じゃないんです』
ジ「ん ?どういうことだい ?」
『この音はギターだけなので 、ドラムとかベースとかの音も入れるつもりです』
ジ「なるほど 。なら 、レコーディングスタジオを使ってくれ 。あそこには機材が揃ってる」
『ありがとうございます 。必ず完成させますから』
ジ「あぁ 、頑張ってくれたまえ」
(( 瑞稀side ))
龍我「ねえ優斗くん 。あなたちゃん 、最近1人でなんかやってるみたいんなんだけど 、知ってる ?」
優斗「え 、そうなの ?知らなかった」
なにやってるんだろ ?と首を傾げる優斗 。
優斗「みずっくん知ってる ?」
『知らない』
蒼弥「何にも言われてないよ」
龍斗「なんかあったのかな 、」
涼「会ってまだ少ししか経ってないから 、信用されてないんじゃない ?」
『でも 、優斗には話すはずでしょ』
蒼弥「確かに …… 」
龍斗「じゃあ 、なんだろ ?」
優斗「よし !俺聞いてくる !!」
優斗はあなたのところに向かっていった 。
涼「 ……… あなたちゃんが俺らに隠してることってなんだろね」
『さあ ?』
(( 優斗side ))
『あなた 、最近1人でなにしてんの ?』
あなた「あ〜うん 、ちょっとね」
俺が聞くと 、言葉を濁して視線を逸らすあなた 。
……… 絶対隠してる 。
なにを隠してるの ?
教えてよ 。
いとこの俺にも言えないことなの ?
『こほこほっ 、』
最近ちゃんと寝てないからか 、よく咳が出るようになった 。
でも 、今日はレコーディング室に行くって決めてるからもう少し頑張らんと 。
大きく息を吐いたら 、ギターとベースを持って家を出た 。
事務所の行ったことのない階に来て 、小さな不安が現れる 。
『えっと ……… こっちだ』
エレベーターの横にあった地図を見て 、レコーディング室に向かった 。
ドンッ
どきどきしていたからか角を曲がったところで誰かとぶつかってしまった 。
?「 、った」
『っ …… すいません !』
?「いえ 、こちらこそ 。あの大丈夫ですか ?」
『あ 、はい !失礼しました !!(ダッ』
なんだかこの雰囲気が苦手で 、慌ててその場から逃げた 。
?「これ 、楽譜 ……… ?」
楽譜を落としているのも知らずに 。
(( ??side ))
事務所を歩いていたら 、角で女の子とぶつかった 。
『 、った』
「っ …… すいません !」
その謝った女の子は信じられないくらい可愛くて 。
『いえこちらこそ 。あの 、大丈夫ですか ?』
「あ 、はい !失礼しました !!」
慌てて走っていったその子は落とし物をしてた 。
『これ 、楽譜 ……… ?』
そっと拾い上げると 、手書きで書かれてある無数の音符 。
……… もしかして 、あの子が作ったの ?
すごすぎる 。
『届けなきゃ 、』
走っていったあの子を追いかける為に 、俺も走り出した 。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。