(( 涼side ))
瑞稀は俺の手を掴むと 、人気のないところに俺を連れてった 。
『瑞稀 、』
瑞稀「 ……… 」
呼びかけても 、返事はない 。
『気に入らないんでしょ 、あなたちゃんのことが』
俺がそう言うと 、瑞稀はピクリと反応した 。
やっぱり 。
瑞稀「あいつ 、入ったばっかなのにすぐにグループに入れて 。努力もまったくしないで」
俺と瑞稀はJr.歴が長い 。
辛い思いも 、悔しい思いもたくさんしてきた 。
瑞稀「確かにあいつには才能がある 。だけど !
俺らだっ 、『ちがうよ』
え ?」
『あなたちゃんは 、ちがう』
瑞稀「なんでそんなことっ 、」
『あの子は 、変わりたいんだと思う』
瑞稀「は ?」
『最初に会った時 、ずっとびくびくしてた 。怯えてたんだよ』
口数も少なくて 、誰かが話しかけないとしゃべらなかった 。
『だけどさ 、さっき見た時には変わり始めてた
目も真っ直ぐで 、別人みたいだった』
瑞稀「勘違いじゃないの 。たった一日で変われるわけないじゃん」
『ううん 、勘違いなんかじゃない 。明らかに違う』
瑞稀「 ……… あっそ 。勝手にすれば ?」
瑞稀は俺を無視して 、行ってしまった 。
(( 瑞稀side ))
別に喧嘩がしたかったわけじゃない 。
ちゃんと話がしたかっただけなんだ 。
あいつを 、紅月さんをどう思ってるのか 。
はしもっちゃんの言ったことは全部あってる 。
紅月さんは一日で変わってた 。
意思 ?みたいな 、目に見えないものが 。
だからはしもっちゃんはちがうって言ったんだ 。
『はぁ ……… 』
(( 蒼弥side ))
『ところで紅月さんはローラーできますか ?』
あなた「少しくらいならできます」
『見せてもらっても …… 』
あなた「わかりました 、家から取ってきます」
龍斗「え 、自前 !?!?」
優斗「前に俺があげたんだ !俺と一緒やろって !」
あなた「全然やってないけどね 笑」
優斗「今からやる !」
あなた「はいはい 、じゃあ行ってきますね」
優斗「俺も行く !!」
『あの〜俺らもついて行って ……… 』
あなた「あ 、大丈夫ですよ」
優斗「あれ 、どこやったっけ ?」
あなた「もう 、優斗くんが片付けたんでしょ ?」
優斗「いやぁ 、覚えてないんだよね 苦笑」
あなた「ばか 、私が探すから退いて」
紅月さんは優斗を退かせて 、周りを見渡した 。
あなた「たしか ……… 」
一瞬目を閉じた紅月さんは 、ある場所に一目散に向かった 。
あなた「あった !」
優斗「おお !」
あなた「"おお !"じゃないよ !」
優斗「まあまあ 、見つかったんだからいいじゃん」
あなた「よくないわ 、あほ」
優斗「はあ !?この俺に向かってあほだと !
あなたのほうがばかなくせに !!」
あなた「優斗くんよりは頭いい」
優斗「英語が読めないやつに言われたくない」
あなた「しょうがないじゃん 、日本人なんだから」
優斗「でもクォーターでしょ ?」
あなた「うう …… そうですよ」
優斗「それなのにだめなのお ?」←
あなた「んも !優斗くんなんか嫌い !!」
ふんっなんて言って 、優斗を放置する紅月さん 。
優斗「嫌いなんて言わないで !嘘でも無理 !」
あなた「優斗くんなんか知らな〜い」
『ふはっ』
優紅「「ん ??」」
優斗「ちょ 、なんで笑った !?」
『いや 、2人のやり取りが面白くて 笑』
あなた「 …… 猪狩くんも面白いよ ?」
『え ?』
あなた「名前から面白そう 笑」←
『俺 、名前から面白いって初めて言われた』
龍斗「 …………(笑い堪えてる」
優斗「さてと !ちょっくら上がっていきますか !」
あなた「え 、なんで ?おかしいやん」
龍斗「んん !?」←
『関西弁 …… ?』
あなた「あ 、やらかした」
優斗「ティッハ !あなたの関西弁久しぶり〜 !!」
あなた「気を抜くとやっぱり出ちゃうなあ …… 」
『もともと関西に住んでたんですか ?』
あなた「はい 、小学5年生までですけど」
『へえ〜そうなんですか』
優斗「あああ 、もう !ためで話そ !堅苦しい !!」
あなた「ええ …… 申し訳ない」
龍斗「いや 、あの同い年なんで 笑」
『俺はいいですよ』
あなた「じゃあ 、ためで !あなたって呼んで !」
『俺はまあ 、なんでも』
あなた「ガリお」←
『え !?!?』
あなた「ふふ 、冗談 。ガリさんね」
龍斗「俺は …… 」
あなた「作ちゃん !!」
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。