第16話

# 16
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2018/08/28 10:39
次の日 、


その日は 、雑誌の撮影だった 。


『失礼します 、』


楽屋のドアを開けると 、机に向かってペンを走らせている那須くん 。


音をたてないように気をつけて ……


雄登「あ 、あなたちゃんおはよ」


ばれちゃったか 。


『おはよう 、朝からすごいね』


雄登「そんなことないよ」


はにかむように笑った那須くんは 、私の髪に指をを通した 。


雄登「やっぱさらさら ……… 」


『ふふ 、』


雄登「そこ座って」


鏡の前に座ると 、那須くんがブラシを持った 。


雄登「ほんと綺麗だよね 、」


私の金色に近い茶色の髪をとかしながら 、那須くんが言う 。


『そうかな ?』


雄登「この髪色が羨ましい」


『でも大変だよ ?学校の先生とかにいっつも言われるの"校則違反だ"って』


地毛なのに 、って付け足すと、那須くんはクスッと笑った 。


雄登「それはいやかな 笑」


『でしょ ?だから 、やめといたほうがいいよ 笑』





そんな話をしてると 、髪はあっという間に完成していた 。


『わあっ 、すごい !!』


雄登「似合ってる」


耳の横で編まれたみつあみ 。


ひとつにまとっていて 、とっても綺麗 。


『ありがとう !』


雄登「いえいえ 笑」


那須くんって 、こんなこともできるんだ 。


すごいなぁ 。


どうせならこれからもお願いしちゃおうかな 笑









『えっと 、初めまして
HiHi Jetsに加入した紅月あなたです
よろしくお願いします』


パチパチパチと拍手が送られる 。


だけど 、その中には明らかに嫌だという顔をしているひともいた 。


ううん 、そんなの関係ない 。


自分で決めたからには 、ちゃんとやるんだ 。





カ「はい 、あなたちゃん笑って !」


ニコリと笑えば 、きられるシャッター 。


カ「すごいね !初めてなんでしょ ?」


『はい 、そうですけど』


カ「笑顔の作り方がほんとに上手い !」


『ありがとうございます』


那須くんのおかげかな 。


那須くんに向かってピースをすると 、優しく笑い返してくれた 。





インタビューが終わって 、イヤホンで音楽を聴いていると 、トントンッと優しく肩を叩かれた 。


『ん ?って 、あ !!』


紫耀「久しぶり !あの時はありがとね !」


『平野さん 、お久しぶりです』


?「ちょ 、紫耀 !置いてくなや !!」


紫耀「ごめんごめん 笑」


?「まったくも ……… 」


私を見て固まった男の人 。


確か 、"廉くん"って呼ばれてたひとだよね 。


『初めまして 、紅月あなたです』


廉「な 、なんやねん !可愛すぎるやろ !!」


『そんなことないですよ 笑
私より可愛い子なんかたくさんおりますよ』


紫耀「え 、関西弁 !?!?」


『私 、関西出身なんです』


紫耀「あ 、そういうことか !」


廉「お 、俺 、永瀬廉 !廉って呼んでや !!
あとためでええから !!」


『廉くん 、やな !わかった !』


廉「っ〜〜〜 !!!」


紫耀「あ 、俺もためで!紫耀って呼んでな !」


『紫耀くんか〜 !』


廉「今度楽屋来てや !メンバー紹介したる !!」


『やった !ありがとう !!』


さっそく先輩と仲良くなれました 。

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