第11話

トロスト区攻防戦⑧
1,071
2020/08/07 09:51
ドット・ピクシス
ドット・ピクシス
よう言ったのぉ。主は男じゃ
参謀を呼ぼう。作戦を建てようぞう。
アルミン・アルレルト
アルミン・アルレルト
えっ?!
そんな!いくらなんでも
樺残用でもない思いつきなのに
いきなり実用するなんて…
エレン・イェーガー
エレン・イェーガー
俺もそう思ったが、でも、
その判断を慰撫がっても意味が無い。
ピクシス司令は、今の俺達に
見えないものを見ようとしているんだろう。
あなた

見えないもの…

エレン・イェーガー
エレン・イェーガー
それに、多分作戦を続行する以上に
根本的な問題がある。
司令はその現状を正しく認識してる。
アルミン・アルレルト
アルミン・アルレルト
つまり…
エレン・イェーガー
エレン・イェーガー
敵は巨人だけじゃない。
アルミン・アルレルト
アルミン・アルレルト
っ?!
ドット・ピクシス
ドット・ピクシス
時は一刻を争う。
活躍してもらうぞ。若き兵士たちよ。
「トロスト区奪還作戦だと?!」

「嘘だろ。扉に開いた穴を塞ぐ技術なんてないのに」

「上は何考えてんだトロスト区に入ったって無駄死にだろ」

「穴を塞げない以上ウォールローゼの扉を死守するしかないってのに」

「ちくしょう…そんなに手柄が欲しいのかよっ」














ドット・ピクシス
ドット・ピクシス
注もーーーーーーく!!!
ドット・ピクシス
ドット・ピクシス
これより、トロスト区奪還作戦について
説明する。この作戦の成功目標は、
破壊された扉の穴を、塞ぐことである。
穴を塞ぐ手段じゃが、
まず彼から紹介しよう。
訓練兵所属エレン・イェーガーじゃ。
彼は我々が極貧に研究してきた
巨人化生体実験の成功者である。
彼は巨人の身体を生成し、
意のままに操ることが可能である。
巨人と化した彼は、前門付近にある
例の大岩を持ち上げ、破壊された扉まで
運び穴を塞ぐ。
諸君らの任務は彼が岩を運ぶまでの間
彼を他の巨人から守ることである。
グスタフ
グスタフ
巨人と戦う必要がない?
アルミン・アルレルト
アルミン・アルレルト
す、すみません。
一介の訓練兵が口を挟んでしまって…
イアン・ディートリッヒ
イアン・ディートリッヒ
構わん。話を続けたまえ。
アルミン・アルレルト
アルミン・アルレルト
はい。
巨人は通常より多数の人間に反応して
迫ってくるので、それを利用して
大勢でおびき寄せて壁際に集めることが
出来れば大部分は巨人と接触せずに
エレンから遠ざけることが出来ると思います。
また、おびき寄せた巨人たちは
後で大砲を利用して損害をださずに
倒せます。ただし、エレンを無防備に
する訳にもいかないので少数精鋭の班で
彼を守るべきだと思います。
それに、穴から入ってくる巨人との
戦闘も避けられません。
そこは精鋭班の技量にかかっています。
イアン・ディートリッヒ
イアン・ディートリッヒ
よしわかった。
そこを踏まえて練り直そう。
アルミン・アルレルト
アルミン・アルレルト
ただ、この作戦はエレンが確実に岩を
運んで穴を塞ぐことが前提です。
その確証が乏しいまま作戦を決行するのは
やはり疑問を感じるのですが…
イアン・ディートリッヒ
イアン・ディートリッヒ
確かに根幹の部分が不確かなまま
大勢を死地に向かわせることに
何も感じないわけではないが、
ピクシス司令の考えも理解できる。
アンカ・ラインベルガー
アンカ・ラインベルガー
ええ。1つは時間の問題ね。
今現在も巨人が街に入り続けてる。
街に巨人が充満するほど、
奪還作戦の成功率は絶望的になるわ。
イアン・ディートリッヒ
イアン・ディートリッヒ
それに加えてウォールローゼが
突破される確率も高くなっていくな。
アンカ・ラインベルガー
アンカ・ラインベルガー
それともう1つ。
人が恐怖を原動力にして進むには、
"限界"があるわ。
「あの…巨大な岩を持ち上げる?」

「そんなことが…」

「人類は遂に巨人を支配したのか?」
ダズ
ダズ
嘘だ!!そんな訳の分からない理由で
命を預けてたまるか!
俺達をなんだと思ってるんだ!
俺達は……使い捨ての刃じゃないぞー!
「人間兵器だとよ!」

「あやかしに決まってんだろ!」

「バカにしやがって」

「今日ここで死ねってよ!俺は降りるぞ!」





「俺もっ」

「俺もだ!」

「俺も降りるぞ!」

「俺もだ!」

駐屯兵団「待てぇ!貴様!進退だぞ!」
ダズ
ダズ
人類最後のときを家族と過ごします!
イアン・ディートリッヒ
イアン・ディートリッヒ
まずいなこれは……
リコ・ブレチェンスカ
リコ・ブレチェンスカ
あぁ。このままじゃ失所がなくなる
キッツ・ヴェルーマン
キッツ・ヴェルーマン
覚悟はいいな反逆者ども!!
今この場で叩き斬る!!
ドット・ピクシス
ドット・ピクシス
わしが命ずる!!
今この場から去るものの罪を免除する!
1度巨人の恐怖に屈した者は、
2度と巨人に立ち向かえん!
巨人の恐ろしさを知った者は
ここから去るがいい。
そして、その巨人の恐ろしさを
自分の親や兄弟、愛する者に
味わせたい者もここから去るがいい!!
「それだけはダメだ……娘は私の最後の…希望なのだから。」
ドット・ピクシス
ドット・ピクシス
4年前の話をしよう。
ウォールマリア奪還作戦の話じゃ。
あえてわしが言わぬともわかっていると思うがの、
奪還作戦と言えば聞こえはいいが
要は政府が抱えきれなかった大量の
失業者の口減らしじゃった。
みながその事に口を噤んでいるのは、
彼らを壁の外に追いやったおかげで
我々はこの狭い壁の中を生き抜くことが
できたからじゃ!
わしを含め人類全てに罪がある!
ウォールマリアの住民が
少数であったため争いは表面化しなかった
しかし今度はどうじゃ!
このウォールローゼが破られれば、
人類の2割の口減らしをするだけじゃ
すまんぞ!
ウォールシーナの中だけでは、
残された人類の半分も養えん!
人類が滅ぶのなら!
それは巨人に食い尽くされるのが
原因ではない!
人間同士の殺し合いで滅ぶ!
我々はここより奥の壁で死んではならん。
どうかここで、ここで死んでくれ!!


それからは、壁際に集めた巨人を倒すための
大砲の準備にはいった。

ドット・ピクシス
ドット・ピクシス
揃ったようじゃの。
諸君らの任務は1つじゃ。
エレン・イェーガーの護衛につき、
作戦過程で起きるあらゆるリスクを
排除すること。
本作戦中最も危険かつ、
難度の高い任務じゃろう。
諸君らの働き如何によって
人類の命運が決まると言っても
過言ではない。
リコ・ブレチェンスカ
リコ・ブレチェンスカ
司令。
1つよろしいでしょうか。
ドット・ピクシス
ドット・ピクシス
なんじゃ
リコ・ブレチェンスカ
リコ・ブレチェンスカ
人間兵器とやらは、
本当に機能するのですか?
イアン・ディートリッヒ
イアン・ディートリッヒ
よせリコ
リコ・ブレチェンスカ
リコ・ブレチェンスカ
貴方だって疑念を抱いてるんでしょ。
ミタビ・ヤルナッハ
ミタビ・ヤルナッハ
司令。この作戦は
エレン・イェーガーという
恐ろしく曖昧な根拠の上
成り立っています。
もしやつが機能しなければ
多くの兵が無駄に死ぬことに…
ドット・ピクシス
ドット・ピクシス
う〜ん…困ったのぉ…
お主らそんなに巨人に負けるのが好きか
ミタビ・ヤルナッハ
ミタビ・ヤルナッハ
っ!
リコ・ブレチェンスカ
リコ・ブレチェンスカ
っ!
イアン・ディートリッヒ
イアン・ディートリッヒ
っ!
ドット・ピクシス
ドット・ピクシス
わしは嫌いじゃぞ?
わしは負けることがなによりも嫌いじゃ。
だがあにはからんや
産まれてこのかた負け続けておる。
わしは巨人に勝ちたい。
あの、木偶の坊どもに
なんとしても勝ちたいんじゃ。
リコ・ブレチェンスカ
リコ・ブレチェンスカ
そ、それは私達も同じです!
ドット・ピクシス
ドット・ピクシス
ならば彼に賭けるしかなかろう。
お主らの言う恐ろしく曖昧な根拠だけが
巨人に勝ちうる唯一の
可能性なんじゃからな
「司令。そろそろ囮作戦開始時刻です。」
ドット・ピクシス
ドット・ピクシス
うむ。
イアン・ディートリッヒ、
リコ・ブレチェンスカ、
ミタビ・ヤルナッハ、
お主らは駐屯兵団の中でも
精鋭中の精鋭じゃ。
人類の命運はたくしたぞ。
ミタビ・ヤルナッハ
ミタビ・ヤルナッハ
はっ!
リコ・ブレチェンスカ
リコ・ブレチェンスカ
はっ!
イアン・ディートリッヒ
イアン・ディートリッヒ
はっ!
ドット・ピクシス
ドット・ピクシス
イアン、お主が部隊の指揮をとれ。
現場の判断は全て委ねよう。
イアン・ディートリッヒ
イアン・ディートリッヒ
私が…ですか…?
リコ・ブレチェンスカ
リコ・ブレチェンスカ
異論はないよ。
ミタビ・ヤルナッハ
ミタビ・ヤルナッハ
俺もだ。
イアン・ディートリッヒ
イアン・ディートリッヒ
しかし…私の力量では…
ドット・ピクシス
ドット・ピクシス
案ずるな。
お主は酒の味が分かる。
美酒も悪酒もどちらの味ものぉ。
任せたぞ。
イアン・ディートリッヒ
イアン・ディートリッヒ
………はっ!
アルミン・アルレルト
アルミン・アルレルト
エレン!すまない…
エレン・イェーガー
エレン・イェーガー
アルミン・アルレルト
アルミン・アルレルト
結局、エレンに全ての責任を
負わせることになった。
エレン・イェーガー
エレン・イェーガー
さっき言っただろ。
お前には正解を導く力があるって。
俺はそれを信じるよ。
ミカサ・アッカーマン
ミカサ・アッカーマン
エレン…
やはり私も…
エレン・イェーガー
エレン・イェーガー
着いてくなんて言うなよ。
お前は囮部隊に配属されたんだろ。
ミカサ・アッカーマン
ミカサ・アッカーマン
でも…
エレンを1人にはできない
1人になったらまた…!
エレン・イェーガー
エレン・イェーガー
いい加減にしろ!
俺はお前の弟でも子供でもねぇ!
そう言ったはずだ!
あなた

エレン。死なないでね。

エレン・イェーガー
エレン・イェーガー
おう。
イアン・ディートリッヒ
イアン・ディートリッヒ
アッカーマン。フローラ。
ミカサ・アッカーマン
ミカサ・アッカーマン
あなた

イアン・ディートリッヒ
イアン・ディートリッヒ
お前らもイェーガーを守る
精鋭班に入れ。
あなた

っ?!
ミカサはともかく私は!

イアン・ディートリッヒ
イアン・ディートリッヒ
お前らの腕が必要だ。
自信を持て。
行くぞ。作戦開始だ!
エレン・イェーガー
エレン・イェーガー
じゃあなアルミン。死ぬなよ。
アルミン・アルレルト
アルミン・アルレルト
うん。エレンも。
走り出した。

何故私も選ばれたのか、疑問を抱きながら。
イアン・ディートリッヒ
イアン・ディートリッヒ
極貧人間兵器と言っていたが
穴を塞げるならなんでもいい。
お前を最優先で守る。頼んだぞ!
エレン・イェーガー
エレン・イェーガー
はい!
ミカサ・アッカーマン
ミカサ・アッカーマン
エレン体は大丈夫
エレン・イェーガー
エレン・イェーガー
あぁ
ミカサ・アッカーマン
ミカサ・アッカーマン
エレン
エレン・イェーガー
エレン・イェーガー
だから大丈夫だって
囲まれてた時より大分マシだ!
リコ・ブレチェンスカ
リコ・ブレチェンスカ
ままごとやってんじゃないぞイェーガー!
フローラも!ぼーっとしてると食われるぞ!
エレン・イェーガー
エレン・イェーガー
そんなつもりは…
あなた

そんなつもりは…

ミタビ・ヤルナッハ
ミタビ・ヤルナッハ
お前みたいな甘えたガキに
人類の命運をかけなきゃならんとはな
イアン・ディートリッヒ
イアン・ディートリッヒ
お前たちいい加減にしろ!
もうすぐ岩までの最短ルートだ!
今見える限りでは巨人はいない!
みなが上手く囮をやっているんだろう
リコ・ブレチェンスカ
リコ・ブレチェンスカ
1つ言っておくぞ。イェーガー。
この作戦で決して少なくはない数の兵が
死ぬことになるだろう。
あんたの為にな。
それは私たちの同僚や、先輩や、
後輩の兵士たちだ。
当然兵士である以上、死は覚悟の上だ。
だがな、彼らは物言わぬ駒じゃない。
彼らには名前があり家族があり
その分だけの思いがある。
アリョーシャ、ドミニク、フィーネ、
イザベル、ルードビヒ、マルティナ、
キド、ハンス、
みな、血の通った人間だ。
訓練兵時代から同じ釜の飯を食ってる
やつもいる。
そんな彼らの多くが今日、
あんたのために死ぬことになるだろう。
あんたには、彼らの死を
犬死ににさせてはいけない責任がある。
なにがあろうとな。
そのことを甘えた心に刻め。
そして、死ぬ気で責任を果たせ。
エレン・イェーガー
エレン・イェーガー
はい!
イアン・ディートリッヒ
イアン・ディートリッヒ
ここだ!行くぞ!
イアンさんの合図と共に飛び出した。
リコさんが緑の煙弾を打った。

それと同時に作戦が始まった。

エレンが壁の前に着くと同時に巨人化した。
あなた

(人間の比率で考えれば、
きっとあの岩を持ち上げることは
不可能だろう。
でも、きっとエレンには
私たちを導く力がある。)

そう思った矢先、エレンはミカサに殴りかかった。
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遅くなっちゃいましたぁーー!!
ごめんなさーーい!!


今日でやっと夏休みだ……

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