そんなことがあったなんて、知らなかった。
管理人さんの思いが詰められた一室に私たちが住むなんて
お礼というか、後ろめたさというか……
「すごいですね、息子さん」
有岡「だよなぁびっくりした。そんなとこに住めてなんかわりぃ感じだよ俺ら」
…!
急に話が続けられビクッとしてしまう
だめだ…慣れない
管理人「そんなことないよ!優しそうな若者で良かった。見た感じ仲も良さそう…だし?もしかしてだけど恋人かな?」
「!?っち、」
管理人「あははは!なんてね。
では私は失礼するよ。これからよろしく」
そう言って、お互い顔を赤らめる私達に笑顔で会釈して笑顔で戻っていく管理人さん
いい人…超いい人だけど……
「カレカノじゃない…」
有岡「…それこっちのセリフ」
やっぱ、男女が並べばカレカノに見えてしまうのか
いやいや!違うし!
今日会ったばかりだし!!
・
管理人さんが戻ったのを確認して、ホッとため息つく。
そんな中、有岡さんは私を横目でちらっと見たのが目に入った。
有岡「…あんましゃしゃり出てくんじゃねーよ、誰だっけ、あー、蒼井あなた」
「………はい?」
有岡「間違えられるから!カレカノじゃねっつーの。あんないい話聞いてなかったら契約破棄してたのに」
な
な
「別に出てけば…いいじゃないすか」
有岡「…あ?」
何この人
子犬みたいな顔して、整ってる顔つきだなとか思ってたのに
有岡「…まぁ、とりあえずよろしく
俺にあんま近づくなよ、あと俺のこと好きになるなよ」
天変地異
最低野郎だった。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。