第6話

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2020/12/31 13:45
あなたside
何とか午後の授業には間に合った。
玲と教室に入り、それぞれの席に着いた。
午後の授業も何事もなく終わった。

「あなた〜!一緒に帰ろ〜!」

HRが終わり、玲に声をかけられた。

「別にいいけど、部活は?」

玲は、バスケ部に所属している。うちの高校はバスケ部が強いため、活動日数が多いのだ。

「今日は久しぶりに休みなんだ〜。それより、あなたも生徒会はないの?」

玲は嬉しそうに言った。なんでも、バスケ部は活動日数が多い上に、練習がキツイらしい。

「俺も、今日はないんだ。」

生徒会も久しぶりに休みだった。学校の中心となる生徒会は、それなりに活動日数が多い。
一緒に早く帰るのは久しぶりだ。いつもは、一緒に帰ってるものの生徒会、部活の後だから、外は真っ暗だ。

「久しぶりに早く帰るね。いつもは、一緒に帰ってるけど外真っ暗だもんな〜。」
「あぁ、そうだな。」

玲も同じ事を考えていたようだ。なんか……嫌だな。
そんな事を考えているうちに、教室には、俺と玲以外誰も残っていなかった。

「教室に、もう誰もいないな。」
「本当だな。なんか変な感じ。」

俺が言うと、玲は笑いながら机に腰をかけた。

「おい、人の机に腰をかけるな。せめて、椅子にしろ。」
「あなたは、真面目だな〜。」

玲め!馬鹿にしたように笑いやがって。
仕方なく、俺も腰をかけた。流石に机は行儀が悪かったから、椅子にしておいた。

「なぁ、あなた。あなたって、俺がいなくなったらどう思う?」
「どう思うって、そりゃあ悲しいかな?」

ダメだ。自分で言ってて恥ずかしくなった。

「そっかー。」
「………なんでいきなり、そんな事聞くんだ?」

俺は玲に聞いてみた。すると玲は

「いや〜別に。」

と窓の外をぼんやりと見ながら言った。

「………。」
「………。」

……………………。気まずい。急に静かになると、気まずい。なんで、こういう時に限って玲は、喋らないんだよ!
しばらくの間、沈黙は続いた。

「なぁ、もうそろそろ帰らねぇか?」

最初に沈黙をやぶったのは俺だった。
さっきの重い空気に耐えられなかった。

「そうだな。そろそろ帰るか!」

俺が立ち上がると、玲も立ち上がり、教室を出た。


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更新サボってすみません。言い訳をさせてもらうと、今月中に提出の作品(美術部のコンクール)を作成してました。これからも、この作品を読んでいただけると嬉しいです。これからもどうぞよろしくお願いいたします!(*´v`)

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