第9話

第6話
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2021/08/09 13:28
出久side

オールマイトが起こした爆風により、僕は気を失った

気を失う直前に僕の視界に入ったのは、僕とかっちゃんをヴィランから引き離しスマッシュの構えをするオールマイトと、そのオールマイトから僕達を引き離す僕達よりも細い、多分女の人の手だった

その後、顔は見えなかったけど僕とかっちゃんはその人に抱きしめられて、爆風が来て気を失って

出久「ブツブツブツ」

僕は気がついてすぐ状況を整理する

どうやら僕達が気を失っている時にオールマイトのスマッシュによりヘドロのヴィランは散り散りになったようだ

そして、僕達をスマッシュから庇ってくれた人はやはり女の人だったらしい

問題は、その“女の人”だった

出久『チラッ』

勝己『………、』

隣を見ると助けてくれた女の人と、オールマイトを見て呆然としているかっちゃんがいた

出久『かっちゃんがあんな表情してるのレアだ!』

だが、かっちゃんがそんな表情をするのにも頷ける、僕も先程までは同じように呆然としていた一人だったからだ

出久『そういえば気を失う直前に聞き慣れた歌声が聞こえたような気がする』

出久『きっと聞き間違いじゃないはず』

出久『だって、僕達を助けてくれた女の人は』

出久「“根音お姉ちゃん”」

だったからだ
出久『どうやらお姉ちゃんは僕達に気付いていないらしい』

出久『お姉ちゃんが、僕達に気付かないなんてとても珍しい事だが、お姉ちゃんのとても濃い隈を見てそれも納得した』

オールマイトと根音お姉ちゃんは、何やら会話をしながら怪我人が居ないかなどのを確認を行っている

出久『何を話してるんだろうなー?』

そんな事を考えていたら、ヒーロー達が僕とかっちゃんの周りに集まり、僕には説教をかっちゃんには称賛の声をかけた

出久『本当に僕はなんてことをしてしまったんだ、何もできないだけじゃなく、迷惑をかけてしまった』

出久「すみません」

「はぁ”(怒)」

僕の隣で聞こえた怒り混じりな声、僕は最初は僕にかけられた声だと思った、だが、違った

その怒りの声は、僕に向けたものではなかった
その声は

根音「ふざけるのも大概にしろよ(怒)」ニゴォ

根音お姉ちゃんが発したもので、その声は僕ではなく、プロヒーローに向けたものだった

ヒーロー達はビクビクとその場で震えている

出久『違うんだ、僕が悪いんだ!』

出久『何もできない僕が出しゃばったから、ヒーローの皆さんが正しいんだ!』

そう口に出そうとしたら、お姉ちゃんが一人のヒーローに関係ないだろうと、問われた

出久『お姉ちゃんは僕だって気付いてない、だから、お姉ちゃんにとって無関係な話なはず!』

出久『僕が悪いんだから、お姉ちゃんがヒーロー達に怒っているのは可笑しいんだ、お願いだからもう辞めて』

根音「あるわよ」

出久『!?』

出久『なんで、お姉ちゃんは僕だって気付いてない!』

出久『だったら関係ないじゃないか!』

僕は何も声に出せなかった

お姉ちゃんはそれからも「転職しろ」とか言っている

出久『もう止めなきゃ』

そう思ったが、何故か少しオールマイトが気になった

出久『オールマイトは少し前までお姉ちゃんと話していたはず、困ってしまっているだろうか』

そう思い、オールマイトの方をチラッと目だけで見た

出久『!?』

その顔にあまりに驚き、首を使ってがっつりオールマイトの方を見た

出久『見間違えじゃない』

出久『困っている顔はしていない』

出久『笑顔で隠しているけれど、お姉ちゃんが酷いことを言われる度におでこに青筋が一つ増えていく』

出久『そしてお姉ちゃんを見るときは、とても穏やかな顔をしている』

そんなオールマイトを見ていると横耳で聞いていた話し声が、耳の中、頭の中に流れ込んでいく

出久『お姉ちゃんの声は、ヒーロー達を罵っているようにも、馬鹿にしているようにも聞こえるけど』

出久『違うんだ』

出久『お姉ちゃんは本当に心の底から心配しているんだ!』

出久『この声は僕が無茶した時に怒るお姉ちゃんの声だ』

出久『お姉ちゃんは僕やかっちゃん、周りの人、そしてプロヒーロー達を本気で心配して怒っている言っているんだ』

出久『それと、お姉ちゃんはきっと気付いてないけど』

出久『プロヒーロー達を怒る時なんでそんなに馬鹿にした言い方なのか、理由はきっと』

出久『プロヒーロー達に再生の機会を作るため』

出久『僕の勝手な妄想だけど』

出久『お姉ちゃんが本気で辞めさせようとするなら、あんな言い回しも、あんな言い方もしないだろうから』

出久『考え方を変えて、最初からやり直させたいんだと思う』

言いたい事全部行ってオールマイトの所へ駆けていくお姉ちゃんは、周りの殆どの人には感じの悪い奴に見えているだろう

けれどお姉ちゃんはそんな人ではない

出久『根音お姉ちゃんは、すごく優しくて、すごく心配性な誰よりも強い人なんだ』

僕は離れていくお姉ちゃんの背中を眺めながら、そう心から思った



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遅くなってしまいましたすみません
ここまで投稿を遅くするつもりは無かったんです
実は、アカウントが急に消えてしまい、復旧する為に自分のアカウントIDを思い出していました
本当にすみませんでしたm(_ _;)m

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