第4話

第1話
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2021/07/05 07:37
ミーンミンミンミン


根音「あー暑い!あーセミうるさい!」

そんな事を言いながら、伸びをして家に向かって歩く

根音『高校最後の夏休み!』 

根音『帰ったらお母さんには休んでもらって、家事は全部私に任せてもらおう!』

根音『親孝行いっぱいしていきたいけど、まだ家事くらいしかできないし……、』
そんな事を考えながら歩いていると、家の近くの公園から声が聴こえてきた

根音『怯えた声と、威張り散らした声、』

根音『声的に子供?いじめ?』

急いで声の聴こえてきた公園へ走る
(公園と根音にはかなり距離がある、耳がいいため聴こえてきた)
出久side

出久『かっちゃんがこの子を泣かせてた』

出久『僕には個性がないから、僕に勝ち目は無い、怖い』

出久『だけど、ヒーローは泣いてる人を見捨てて逃げたりしない』

出久『この子を守らなくちゃ!』

出久「酷いよ…かっちゃん…泣い…てるだろ」

出久「こ…これ…以上は、わ…ゎ…#@$€#*@%*」

出久『怖い怖い怖い』

勝己「フッ」

勝己「無個性の癖に」

ボンッ

勝己の手から個性が出て来た

出久『ヒィッ』

勝己「ヒーロー気取りか、“デク”」

出久「フヒィッ」

「やめなさい!!」

勝己「あ”ぁ(怒)」

勝己「!」

出久「お…お姉ちゃん」
根音side

公園に走って行くとそこには、5人の男の子達がいた、どうやらそのうちの3人の男の子達が残りの2人の男の子をいじめているらしい

走っている時に聴こえてきた勇敢な声は、座っている男の子を庇っている男の子が発したものか

根音「フッ」

状況的に笑うところではないが、思わず口角が上がってしまった

根音『そこらの、形だけのヒーローより、あの子の方が余っ程ヒーローだ』

そう思いながら走り、公園の入口の前まで差し掛かった時、3人の男の子達が個性を使って勇敢な男の子を殴ろうと迫っている

根音『ヤバい!』
「やめなさい!!」
男の子3人「!」ピタッ

根音『ホッ』

根音『止まってくれて良かった』

根音『止まってくれなかったら、間に合わなかったかも、(焦)』

私は生まれつき体が弱く肺も人よりとても小さい、体調管理で体が弱いことはカバー出来たが、肺はどうにもならなくて、個性や装備でどうにかしてた

けど、今は装備がない、肺が痛い

根音『個性と装備に頼り過ぎてた、体力作りしなくちゃ』
 
根音『けど、その前に!』

男の子達の方に歩く

勇敢な男の子「お…お姉ちゃん!」

根音『!』

根音『肺痛いし、喘息出そうで焦って呼吸整えてて気づかなかったけど、個性を出した男の子のリーダーは勝己くんで、勇敢な男の子は、出久!』

根音『まぁ、これなら話がはやい!』
根音「か〜つ〜き〜く〜ん(怒)」

勝己「……、」ビクッ

勝己を取り囲んでた2人「「ヒィィィッ」」

勝己「……、根…音、姉ちゃん」

根音「いじめってして良いのかな?」ニゴォ

勝己「ヒィッ」ビクッ

根音『この子達は子供だし、私は保護者ではないから強く言うのもアレだけど、勝己くんだし大丈夫』

根音『だって』 


【突然の回想】〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

光己「勝己!また出久くんをいじめたの!」

光己「根音ちゃん!もしまたこんなことがあったら容赦せず、怒ってね!」

【回想終わり】〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


根音『って、光己おばさんが言ってたし、』

根音「ヒーローって、人をいじめる人達のことだっけ?」

その質問のあとは凄みをきかせた笑みを無言でし続けた
大人でも怯む笑みだ、子供が見たら恐怖でしかない

1人の男の子「か…帰ろうぜ、かっちゃん」  

勝己「……、」

勝己を含む3人の男の子達は足早に帰っていった

根音「全くもう」

出久達の方に振り返り

根音「もう大丈夫だよ!」ニコッ

先程の笑みとは打って変わって優しく安心させる笑みを見せた

2人共「「ホッ」」

2人共安心してくれたようだ

根音「2人共怪我は無い?」

出久「!」

出久「ぼ…僕は無いけど、この子が足に怪我を」

そう言った出久は座っている男の子を指した

根音「大変!足を見せて!」

座っている男の子はすぐに足を見せてくれた

根音「ちょっとまってね」

根音「スゥー」

根音「イールナーエーテルロー♪〜♪〜」

私が歌うと、男の子の足の怪我が治っていく

男の子「わぁー」

根音『曲フルで歌わなくても大丈夫そう』

曲の1番を歌い終わったところで男の子の傷は完全に治っていた

男の子「ありがとうございます!」

根音「ううん、お礼は要らないよ、私は、当たり前の事をしただけ」

根音「私は、ヒーローだから」

とは言っても仮だけどねーと笑って言うと、男の子は目を輝かせてヒーロー、と小さな声で言っていた

根音「うん!そうヒーロー、だから」

根音「市民の安全をまもるのはヒーローの約目なのです!」

根音「なんてね」

頭の後ろを片手かきながら言う

根音「それに、君を助けに来れたのはあの子のおかげだよ、私1人じゃ間に合わなかった」

そう言いながら出久を指す
それにしても、自分で言ったことだけど、我ながら情けない

男の子「!」

男の子は私の言葉を聴いて気づいたのか、立って呆然としている出久にありがとうと言って帰っていった

出久「……、」ニコッ

根音「出久、凄く勇敢だった、本当のヒーローみたいだったよ」

そう言って頭を撫でると安心したのか少し泣きながら笑ってた

根音『あーかわいい』

でもその瞬間ハッとして出久は話し始める

出久「僕は守れなかった、お姉ちゃんが来てくれたから…」

私は、出久の話を黙って聞き、出久の話が終わった瞬間一つため息を吐いて話し始めた

根音「何言ってるの出久!出久は凄く勇敢だった!」

根音「あの子のにも言った通り、私1人じゃあの場に間に合わなかった」

根音「出久のおかげだよ」

と、また頭を撫でてやるとさっきよりも泣いてしまった

根音「ヒーローになるならその泣き虫を直さないとね!」ニコッ

出久「う…うん!」

そう言うとすぐに泣き止んだ出久

根音「えらいえらい、それでこそ立派なヒーローだよ!」

出久「うん!」

出久と手を繋ぎながら家に帰る

根音「今日は出久の好きな物を作ってあげる」

根音「何がいい?」

出久「うーん」

この悩んでいる姿がまた可愛い

根音『私はブラコンなのか?』

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