『 ちょぉッ、セナくぅん、何処に連行させるつもりですかぁ 』
久々に顔を出してみれば何故かこんな事態に。今は何故か泉くんに首ねっこ掴まれて引き摺られてます。多分向かってるのは防音練習室。まさかプロデュースしろと。
『 ...いずみくn 』
瀬名 「 ちょっとうるさいよぉ。黙っときな。」
...いやあ泉くんに言われたら黙る以外にどうしたらいいのさ。って事で黙って連行され中。ガチャンと荒々しく扉を開ける泉くん。知らないうちに荒れたな。
鳴上 「 あら、泉ちゃん随分帰りが早かったのね、お帰りなさい。」
瀬名 「 ちょーっと探すのにてこずったけどね。...そんで、王さまはちゃんと捕まえてあるわけ? 」
鳴上 「 ええ、しっかり。」
なるちゃんが指さした先には楽譜をばらまけて赤髪の男の子と戯れてるれおくん。そして私もドンッと床に落とされれば ぐぇっ、なんて声が出た。
鳴上 「 あなたちゃん!久し振りね♡ 」
『 おぉう...なるちゃん久し振りぃ 』
ぱっぱとほこり払えばにっこりスマイル。なるちゃんの声に反応したのか赤髪の男の子がこちらへ。
朱桜「 む、あなたお姉様がいらっしゃるのですか?! 」
ええいとれおくんを押しのけて此方へ駆け寄ってきて目を輝かせる男の子。...確か新入りだよね。名前は覚えてないけど。
朱桜「 お姉様、そろそろ私の名前は覚えていただけたでしょうか...?! 」
期待の眼差しが此方へと向けられる。これは覚えてるよな?と言わんばかりに視線を向けてくる。
『 ...ええっと... 』
朔間「 うーん今日は雨が降りそうだなあ...まーくんアレ、持ってるかな〜 。」
りっつんは何を言ってるのだろうか。なんて思ったもののよく良く考えればこれは助け舟なのではないだろうか。
『 えっと...かさちゃん、だよね。朱桜司...! 』
朱桜「 お姉様!覚えていて下さったのですね!司は感激です...! 」
...正直英語で話すのは覚えてたから頭に思い浮かんだ名前はボブだったけどりっつんのおかげで助かった。たまにはやるじゃんね。
瀬名「 ってか、そろそろ本題に入りたいんだけどぉ。」
月永「 そうそう、内容を早く話せよ!わざわざ作曲中の俺をここに呼び出したんだから!」
瀬名「 はいはい、今話すから黙ってなよお。今度、仕事の依頼が入ったの。俺達Knightsに。それで撮影とか企画とかその他諸々なんだけど、最後にパーッと踊りもやるらしくて。それでまだ期間はあるし王さまには曲。あなたには衣装とプロデュース。企画運営その他諸々を頼もうと思って。」
久しぶりに何かやると思ったらこれですか。...重労働過ぎ。
瀬名「 大変そうだからあんずにも手伝ってもらおうかなとも思ったんだけどs 」
『 ...やだ... 』
瀬名「 うん? 」
『 ...泉くんは私の事なめてんの。私だよ?それぐらい1人でも出来ますうっ。...だから任せてよ。最高のプロデュースをして、最高の衣装を作り上げてみせるから。後輩の手なんて借りてらんないよ。』
瀬名「 ...そう来なくっちゃねぇ。それでやっぱり出る出ない以前にKnightsの姫と王さまがいないなんて有り得ないから、頼んだよ。」
さて、これからレッスン漬けの日々の始まり。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。