その後、私達は手を繋いだまま、デートを楽しんだ。
そして、夕暮れ。
琉生が、丘のてっぺんを指差した。
私達は、手を繋いで、丘のてっぺんに向かった。
登ってくると…
てっぺんには、二人の人影があった。
だんだん近付いていくと…
翔と葵衣が、向き合って立っていた。
二人の声が、まだはっきりと聞こえない距離の時…
琉生が、二人に向かって手を振り始めた。
琉生の声が聞こえたのか、二人がこちらを見た。
私は、琉生につられて、丘のてっぺんへ走って行った。
葵衣は、無言で空を見上げている。
その表情は、どこか寂しそうだった。
そう言って、葵衣は丘を下って行った。
何があったのかな…
気になったけど、聞けなかった。
翌日。
あれ…今日は普通だな…
やっぱり普通だ。
そんなに大したことじゃなかったのかな…
…なんか、葵衣…
翔から目そらしてる…?
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。