第14話

おかしい
39
2019/08/06 02:51
今日は、みづのお店に行く日だ。
けど…
未薗
未薗
なんか嫌な予感がするんだよね…
お母さん
未薗~?お金ちゃんと持った?
未薗
未薗
持ったよ
お母さん
え~?
未薗
未薗
持ったよ!
お母さん、耳遠いんだよね…
お母さん
…持ってないって?
未薗
未薗
持ったってば!(笑)
お母さん
あ、そう?
気をつけて来るのよ~
未薗
未薗
はーい、行ってきまーす
ガチャッ。
葵衣
葵衣
おう、未薗
未薗
未薗
あれ、迎えに来てくれたの?
葵衣
葵衣
…なんつーか、ちょっと嫌な予感がしたから
え、葵衣も…?
未薗
未薗
…実は、私もなんだよね
葵衣
葵衣
…まじか
未薗
未薗
うん、なんか自分の身に何かが起こる気がするっていうか
葵衣
葵衣
…私も、未薗が危ないと思ったんだよ
未薗
未薗
じゃあ、やっぱり…
葵衣
葵衣
…もしかしなくても、何かが起こるってことだな
未薗
未薗
そんな…
葵衣
葵衣
…何が起こるかっつー目星はついてんの
未薗
未薗
う~ん…私が思うには、タイムスリップがもうすぐ終わるんじゃないかなって思うんだけど
葵衣
葵衣
あー…なるほど
未薗
未薗
ま、まあ、みんなも一緒だし、そんなに何もないと思うけどね!
葵衣
葵衣
だといいけど…
まあ行くか
未薗
未薗
うん!
落ち着け私、まだそうと決まったわけじゃない。
そして、琉生と翔が来て、私達は「evening」に向かった。
カランカラン。
琉生
琉生
こんにちは~!
観月さん
観月さん
いらっしゃいませ、4名様ですね
うわ、久しぶりだな…
琉生
琉生
舘さんすげーな!
翔
接客慣れしてるね
観月さん
観月さん
こちらの席へどうぞ
あれ…?
観月さん
観月さん
ご注文がお決まりになりましたら、お声かけください
失礼します
みづは、そう言って、カウンターの方へはけていった。
琉生
琉生
何にしよっかな~
翔
琉生、自分の財布のこと考えて頼みなよ
琉生
琉生
分かってる~
葵衣
葵衣
…あれ、本当に舘さんか?(小声)
葵衣が私に向かってそう言った。
未薗
未薗
…なんかおかしい気がするよね…(小声)
やっぱり、これって…
『ワ タ シ ノ ケ ハ イ ニ キ ヅ イ タ ?』
未薗
未薗
っ⁉
葵衣
葵衣
未薗⁉
『そうだよ、未薗が思った通り、みづはもう戻ってるんだ』
未薗
未薗
……
この声…私だけに聞こえてる…?
『そうだよ、私の声は、未薗だけに聞こえるの』
…もしかして、この声って…
『未薗、あなたにはもう時間がないの』
…やっぱり…私の声だ…!
『今なら、未薗のお願いを一つ聞くことが出来る』
『だから、教えて』
『未薗は、私にどうしてほしい?』
その瞬間…目の前に人影は現れた。
未薗
未薗
それは…ちょうど小6の私。
なんで…どうして…
いや、今はそれどころじゃない。
私が、私にしてほしいこと…
それなら…
未薗
未薗
…琉生を
琉生
琉生
え?
未薗
未薗
琉生を死なせないで!
ビュンッ。
辺りが真っ白になった。
『ありがとう、未薗』
『あとは私に任せて』
その瞬間、私は白い光に呑み込まれた。

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