ずっとずっと、泣いていた
そろそろ泣き止むかと思えば、また想いが込み上げてきて、泣いてしまう
もう、何も出来ない
食べ終わった皿を片付けて、ソファーに座った
携帯を見ても、廉からの着信はない
本当に、別れちゃった…
『うぅっ……グスッ……廉ッ……!戻って、きてよぉ…ッ…、』
いつまで泣いていたんだろう。
夜中になっても寝れずに、疲れ果てていた頃、やっと眠りについた。
涙でいっぱいになった、重い目を閉じて。
…
『ん…ッ…?』
気が付くと、もう朝に。
鏡を覗くと、やはり真っ赤で腫れている目
『はぁ…ッ。』
着替えようかな。でも、そんな気にもなれない。
ご飯…どうしようか。
何もしたくない。
廉が居なくなった。
それだけなのに、何年も一緒に居てしまった自分は、彼がいないと、ダメなんだ
『ッ……、グスッ…グスッ……』
ほらまた。
また、泣いちゃったじゃんか
ガチャ
え……
誰…?
ドアを開けれる人は、ただ1人
鍵を持つ人は、ただ1人
「ただいま…」
『廉……?』
大好きな彼が、帰ってきたんだ…!
だけど…
「もう、お前1人でここ住んでいいから。俺は出てくわ。」
『え……なんで、!ちょっと待ってよ、!』
やっぱり…
元に、戻れないんだ。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。