『ねぇ許せ許せ許せ っ…』
ポコポコ と廉の胸を叩いて、
必死にお願いする。
「はぁ…っ。、可愛すぎやろもぉ…/」
『…えっ?』
『い、今可愛いって…』
「うるさい言ってへん」
『え、言ったよね…!許してくれたの!』
「言ってへんし許してもないわ」
『ねぇもぉ素直になんなよ~』
さっきまで照れて顔を隠してたくせに、
急に瞳がこちらを向く。
『え?』
「…素直になってええの?どうなるか知らんよ」
「でもまぁ楽屋で約束したもんな。あなたも分かっとるか。」
『あっ、…』
か、完全に忘れてました。
なんて口が裂けても言えないよどうしようね。
「…覚悟しときぃ言うたやん?え、まさか覚えてなかってん?」
『ちがっ、…』
「俺もぉ今日は寝かせへん。」
ニヤッ と笑みを向ければ、
廉のスイッチが入った合図。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!