「あ、そこのクレープでも食べるか?」
『うん…!!』
「んーと、何味がええ?」
『じゃあー、チョコバナナ!!』
「俺、いちごー」
「あ、俺払っとくから、さっきのベンチ座っとって」
『うんっ』
…
「お待たせ〜」
『んー!!廉ありがとおっ』
クレープも食べ終わり、
ショッピングモールでちょこっと買い物
もうそろそろで、廉もリハーサルとか練習しなくちゃ行けないから、バイバイしないとなんだけど…
ずっと、このままがいい。
どうしても、離れられなくて。
だから、
もうそろそろだってこと、気づかないフリをした。
数分後、
ついに廉が気付いたのか、口を開いた
「なぁ、あなたッ」
『やだっ、』
行かないと。なんて言葉、聞きたくない。
「はぁ…もう、ちゃうねん」
「離れたく、ないもん…っ」
「ええから、黙ってついてこい」
そう手を掴まれると、リハーサル場まで向かう廉の姿。
もうそろそろ、やっぱりお別れなんだって。
でもなぜか、建物の中に入っていく
『えっ、廉…?』
「俺やって、離れたないねんっ!
やから、ほんまはあかんけど、リハーサルのとこも一緒にいてもらう」
『え……っ?』
『いいの、?』
「おうっ。あと1週間くらいやからな。今日だけならええ。それ以上は、ちょっとむずいかもな」
いい。
あと1週間。
それなら、今日夜まで会えたら、いける気がする。
こんなリハーサル場まで、一緒にいれるもん。
こんな最高なことなんて、ないでしょ…?
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。