第35話

後戻りはできない
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2018/08/27 04:59


気にしない。気にしない。って思ってたけど、やっぱりダメで…



家に着くまでずっと、2人が慰めてくれた。



少しか楽になった…


そして今、家に着いた




ガチャ




紫耀)お邪魔しまーす


優太)お邪魔します〜



『どうぞどうぞ〜』



2人にはリビングでゆっくりしてもらって、うちは飲み物を準備



『はい、飲み物!』



紫耀)サンキュー


優太)ありがとっ



『ごめんね…来てもらっちゃって』



紫耀)全然!マジで大丈夫だから!


優太)俺達が好きでここに来てっからさ!



『ありがと…!』



ほんと、マジで優しいな…


どこかの誰かさんと違って……


そうだよ。、いっつも素直じゃなかった。


でも、たまに甘えてくるし、男らしくて…


そこに惚れたんだ…



ただの喧嘩だと信じて…廉が帰ってくるの、待とうかな




『もうそろ、夜ご飯食べなきゃね…』



紫耀)ならさ ならさ!
俺と優太で、買い出ししてくるわ!あなたはゆっくりしててな?



『え?いや、悪いって!』



優太)本当は今は出掛けたいなんて思ってねぇだろ?あんな事あったんだしさ



紫耀)だからだから!俺らで行ってくるー!じゃあねっ!



バタンッ





行っちゃったし…


正直、行けるほど気持ちがついていってなかった。

ほんとに、感謝しかないなー




ブー ブー …




ん?携帯?



電話じゃん…誰だ?



『え……』


携帯を持つと、目の前で表示されているのは、廉。



『も、もしもし…』


「あ…あなた、俺さ」



廉が話してる声に、耳を傾けていると、



(廉くーん!!)



女の人の、…声…?



「あ!………」



なんで…??


その事にただただ、信じられなくて、廉が返した言葉は何も聞こえなかった



どうして…



海人)あ、廉、電話中じゃん



今戻ってきたかのような海ちゃんと、

私と電話真っ最中で、
知らない女の人といる、廉



『廉…ッ!』


「あ、……なぁ、俺達さ…もう、別れねぇ?」




え…



1番、聞きたくなかった言葉



廉の口から、絶対に出して欲しくなかった言葉



『えッ……なん、で…?』


「もうさ、疲れるんだよ。」


『ッ…!! じゃあ、なおすっ…!だから、だから、居なくならないでよぉ…ッ』


「もう、遅いんだよ…ッ 」



(誰と電話ー?)


「ん?あ、元カノ〜」


(ん''、え、そうなんだー)



「て事だから、もう俺に近付かんといて」



やだぁ…ッ…やだよぉ……!!



プー、プー、プー

と鳴っている携帯を、見つめる



切れちゃった…


そのタブを閉じると、表示されたのは、廉とツーショットの写真



『うッ……廉…ッ グスッ…』



別れちゃったんだ…




元カノ…


そう言われた事に、どれだけショックを受けたか…





もう、後戻り、出来なくなっちゃったんだ…




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