第7話

ろく
414
2020/08/09 23:37
sideあなた


昔から惚れっぽいところはあって
すぐ男に騙されて泣いてた。
もう恋なんてしないって決めたのに
私は道枝くんに堕ちかけている。
『こんなんだからアンチが来るんだわ、、笑』
眠りに付けないベッドの中でそんなことを思った。


道枝くんは今までの人と全然違う。
全部顔に出るし((
女の子の免疫なさそうやし
何よりどの元カレよりも顔がいい。


でも私が道枝くんを好きで
道枝くんも私のことを好きなのは
両思いなのに大きな罪を被ることになる。
芸能人はそういうもの。


『分かってんのにな、、』


一人暮らしの部屋にこだました自分の声に
いつになったら独りじゃなくなるんだろうと思うと
背筋がゾッとした。


何気にハイチュウも最寄りのコンビニで買ってるし
道枝くんとも普通に帰ってるしで
危ういことしてるけど
それでも恋心って止められないよねぇ、笑


そんなこと思ってたらさっき終わったはずの
道枝くんのLINEがピロンと鳴った。


「寝れる?笑」
『寝れん。』
「やっぱり」
『なんで?』


単語のみの会話なのに私はずっと笑顔で
キーボードを打ってる。
「んーん」
「電話とかどうかなって、笑」
電話にすると自分の気持ちがバレてしまいそうで
怖かった。


『いいよ』


結局OKしたけどビデオはさすがに無理やから
声だけしてもらった。


くぐもった道枝くんの声が電話越しに聞こえる。
女の子ほどまではいかないけど高い声。


気を許すと「すき」と呟いてしまいそうで
張り詰めていたからか
その日は何より直ぐに眠れた。

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