無料ケータイ夢小説ならプリ小説 byGMO

前の話
一覧へ
次の話
172
2019/07/23

第1話

バカップル(?)の昼休み
 本宮 琉偉もとみや るいです。今夜も僕たちが夢の世界へご招待しますよ、プリンセス。












 なんてくっさいセリフを言ってるけど、ほんとは超がつくほどクールで毒舌家だから。プライベートで僕に話しかけるのはやめておいた方がいいよ。

 声をかけたヤツはもれなく凍らせてやるから。
深田 貴之
琉偉はいるか?
 また来た。下の名前で気安く呼ばないでほしいんだけど。

 深田ふかだはすぐに僕を見つけてそばにきた。
本宮 琉偉
なに
 上目遣いで深田をにらみつけた。
 
 普通なら、みんな真っ青になって逃げていくのに、コイツは一切顔色を変えない。
 それに、僕がこんなに近づくなオーラをぶりぶり出しているのに、
深田 貴之
一緒に弁当食べないか?
と、言うのだ。

 コイツ、多分女子に告白されたら、好きを友人としてと捉えて「俺も好きだ」と返事すると思う。


 ちなみに弁当の誘いは受けている。最初は断ってたけど、毎日懲りずにやってくるのでもうどうでもよくなった。
本宮 琉偉
どこ
 そう言って窓の外に目を向けた。グラウンドの土が強風で砂ぼこりを起こしている。

 風強そうだな。あんな強風の中で弁当食べるカップルはある意味バカップルだね。
深田 貴之
中庭へ行くぞ
 そうだ、コイツもバカだった。











 葉桜が強風で暴れるように葉を散らしまくり、たまに毛虫も吹き飛ばされていた。

 そんな中、木のベンチで黙々と弁当を食べるある意味バカップル、僕と深田。

 せっかくセットしてきた髪もあっという間にボサボサになってしまった。さっさと弁当食べてさっさとトイレで直したい。

深田 貴之
そういえば曲はできたか?
 ハムスターのようにサンドイッチを食べている深田が聞いてきた。

 ちゃんと飲み込んでから口に入れなよ……。
本宮 琉偉
レコーディングは終わった。CD出来たら渡すよ
 そう答えてタコちゅうウインナーを噛みちぎった。

 ごめんね、タコちゅう。君は何も悪くない。
深田 貴之
そうか! 楽しみにしている
 普段は無表情な深田の顔がほころんだ。

 チッ。コイツの笑顔を見たらなんか変な気持ちになる。だから、そうなる自分にもイライラする。

 でも、こうみえて深田は全国のマダムたちにちやほやされているフィギュアスケーター。

 銀盤の若きプリンスとかイケメンスケーターとか次世代の貴公子とか。たくさんのキラキラした異名をもっている。

 まあ確かに、端正な顔立ちだし身長は178㎝もあるし、足はキリンのように細くて長い。

 アイドルの僕から見ても、そう言われるだけのルックスは持ち合わせていると納得はできる。










 ここまでの僕を見て、信じがたいとは思うが別に深田のことが嫌いというわけではない。
 ただ、王子様な僕を求めない場所では、なるべく肩の力を抜いていたいだけ。

 なのに、あの仕事を引き受けてしまって、貴重なひとりの時間が減ってしまった。

 でも、それが念願だったソロデビューのきっかけになったことも事実だった。
深田 貴之
ところでどんな曲なんだ?
 ほおぶくろをぱんぱんにした深田が聞いてきた。

 僕はハートの卵焼きの片方を噛みちぎり、淡々と説明し始めた。