少年は『アスカ』と。
そう名乗った。
アスカの明るい声のトーンは、
この教室には、全くと言って合っていない。
うん、それはわかってるんだよ。
だけど、『フォーエバーゲーム』の意味がわからない。
普通に訳したら『フォーエバー』が永遠に。
ゲームはそのままの意味…だよね?
『永遠にゲーム』??
おかしな名前だ。
『デスゲーム』
アスカが発したその言葉にクラス中が息を呑む。
『デスゲーム』とは、すなわち死のゲーム。
先生があんな死に方をしたのだから、あり得る。
至って普通のルールだけど、、
気になるのは『➂全てはリーダーの責任とする。』ってところで。
何か、ある気がする。
クラスの中でもヤンキーっぽい、一人がアスカに殴りかかった。
もしかして…、、
これって、ルール➁に当てはまるんじゃ。
アスカは簡単にヤンキーの拳を掴んだ。
ヤンキーは驚いている様子で…。
アスカは呆れたような声で、ヤンキーをにらめつけたように見えた。
のは、私だけだろうか。
プッシャァァーーー。
その瞬間、ヤンキーは声を上げる隙もなく、身体中から血が噴き出した。
私の体の半分に血がかかる。
白いシャツは先生の血と、ヤンキーの彼の血で真っ赤に染まってしまった。
さいあく…。
クラス全員の考えが一致した気がする。
『このゲームはデスゲームに違いない。』
アスカはヤンキーの死体をそのままにして、話を続けた。
『口で説明するのは面倒くさいから…。』といって、全員にルールが書かれた紙が配られた。
ーーーージャンケンのルール!!
➀各チームから代表者一人を出す。
➁代表者は目隠しをして、敵チームの代表者とジャンケンをする。
➂代表者以外のチームメイトは、代表者に敵チームがどんな手を出してるかを伝える。
➃代表者は敵チームがどんな手を出すかを考えてもう一度ジャンケンをする。
(※2回目のジャンケンの時は目隠しをしない。)
めありがいきなり椅子から立ち上がると、
アスカに対して質問をした。
アスカは『あ!』という顔をして、軽く礼をした。
っ……!!
私は思わずフリーズしてしまう。
そして……、、、
めありは驚きすぎて声も出ない様子だった。
なんせ、名札もしていない、出席番号順で座ってもいないのに、
名簿も見ずにめありの名前をフルネームで言ったから。
アスカのその笑みは私を現実逃避させたくなった。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!