第2話

少年『アスカ』
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2019/06/04 11:59
小さな少年
あ、まず自己紹介だよね!
小さな少年
ぼくの名前はアスカだよ!

少年は『アスカ』と。

そう名乗った。


アスカの明るい声のトーンは、
この教室には、全くと言って合っていない。
アスカ
それじゃあ、本題に入るね。
みんなにはこれから、『フォーエバーゲーム』をしてもらいます!!
うん、それはわかってるんだよ。

だけど、『フォーエバーゲーム』の意味がわからない。



普通に訳したら『フォーエバー』が永遠に。
ゲームはそのままの意味…だよね?


『永遠にゲーム』??



おかしな名前だ。
アスカ
簡単に言うと、デスゲームね!
『デスゲーム』


アスカが発したその言葉にクラス中が息を呑む。

『デスゲーム』とは、すなわち死のゲーム。



先生があんな死に方をしたのだから、あり得る。
アスカ
今から言う四つのルールを守ってね!
アスカ
➀チームメイトと協力しなければいけない。
➁優勝者が決まるまで運営側に逆らってはいけない。
➂全てはリーダーの責任とする。
➃ルールは絶対。


至って普通のルールだけど、、



気になるのは『➂全てはリーダーの責任とする。』ってところで。

何か、ある気がする。
男子生徒
はあ!?
よく、わかんねーんだよぉ!!
クラスの中でもヤンキーっぽい、一人がアスカに殴りかかった。



もしかして…、、




これって、ルール➁に当てはまるんじゃ。



アスカは簡単にヤンキーの拳を掴んだ。
ヤンキーは驚いている様子で…。

アスカは呆れたような声で、ヤンキーをにらめつけたように見えた。


のは、私だけだろうか。
アスカ
早速、ルール違反なの?
じゃあね!
プッシャァァーーー。




その瞬間、ヤンキーは声を上げる隙もなく、身体中から血が噴き出した。


私の体の半分に血がかかる。

白いシャツは先生の血と、ヤンキーの彼の血で真っ赤に染まってしまった。
さいあく…。




クラス全員の考えが一致した気がする。


『このゲームはデスゲームに違いない。』



アスカはヤンキーの死体をそのままにして、話を続けた。
アスカ
気を取り直して…、、第1ステージを始めるよ!
第1ステージは、『ジャンケン』
でもただのジャンケンじゃないよ!!
ルールは簡単!!
『口で説明するのは面倒くさいから…。』といって、全員にルールが書かれた紙が配られた。





ーーーージャンケンのルール!!
➀各チームから代表者一人を出す。
➁代表者は目隠しをして、敵チームの代表者とジャンケンをする。
➂代表者以外のチームメイトは、代表者に敵チームがどんな手を出してるかを伝える。
➃代表者は敵チームがどんな手を出すかを考えてもう一度ジャンケンをする。
(※2回目のジャンケンの時は目隠しをしない。)







アスカ
ね?簡単でしょ?
じゃあ始めるよ!
新戸部 めあり
待ってまって!!
この、チームってどうしたらいいの?
めありがいきなり椅子から立ち上がると、
アスカに対して質問をした。



アスカは『あ!』という顔をして、軽く礼をした。
アスカ
忘れてたよ…うぅ。
ありがとう、新戸部めありくん……。
っ……!!

私は思わずフリーズしてしまう。


そして……、、、
めありは驚きすぎて声も出ない様子だった。




なんせ、名札もしていない、出席番号順で座ってもいないのに、

名簿も見ずにめありの名前をフルネームで言ったから。
アスカ
チームはぼくの方でランダムに組んだよ!
リーダーは適当に決めてね!!
1チーム4人ね!
アスカ
このクラスは…41人だったけど、40人になったからちょうどいいね!!





アスカのその笑みは私を現実逃避させたくなった。

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