織姫彦星、転移する。
とある年の七夕。その日は、大雨が降っていた。
神の悪戯なのだろうか、去年も、一昨年も、その前の年も、七夕の日は大雨が降った。
大雨が降ると、天の川は洪水を起こす。織姫と彦星は、年一度の逢瀬を重ねることができないのだ。
とうとう痺れを切らした彦星は、天の川を泳いで織姫の元に行こうと試みた。泳いで、泳いで、とうとう織姫の星が見えるところまで泳ぎきる。
織姫は彦星がこちらまで泳いでくるのを見て、自身も泳いで早く彦星の元へ行こうとした、その時だった。天の川は水位を増し、織姫と彦星を溺れさせてしまったのだ。
必死の思いでもがき、2人が目を覚ますと___
そこは、現代日本だった。
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update 2023/08/20